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『鋼の錬金術師』名セリフ集|心に響く言葉たち【ハガレン】

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2001年にスタートして以来、連載終了から十年近く経った2019年現在でも絶大な人気を誇る「鋼の錬金術師」。

その人気は最終回の掲載された掲載紙のガンガンが入手困難になり、次号でも同じ話が掲載されたほどでした。

「ハガレン」の略称で呼ばれる事の多いこの作品。人気の理由の一つが個性あふれるキャラクター達の、重い人生から出るセリフです。

人気を支えた魅力あふれるセリフの一部を紹介していきます。

目次

「鋼の錬金術師」とは

わずか12才で国家資格の国家錬金術師を取得した天才エドワード・エルリックがこのストーリーの主人公です。

錬金術の禁忌とされる、人体錬成で母親を生き返らせようとしたエドワードと弟のアルフォンスですが、人体錬成は失敗します。

母親を得られなかったその代りに、エドワードは左足を、アルフォンスは魂と肉体の全てを対価として払わされてしまいます。エドワードは決死の思いでアルフォンスの魂を呼び戻し鎧に定着させますが、その対価として右腕も失ってしまうのでした。

右腕と左足が機械の義手の機会鎧(オートメイル)になったエドワードと、空っぽの鎧に魂が付いているだけの存在になったアルフォンス。エルリック兄弟は、失われたからだを取り戻す方法を探して旅に出ます。

そして兄弟は、強大な陰謀の渦の中心へと歩みを進める事になるのでした。

鋼の錬金術師の名言集

エドワード・エルリック

この作品の主人公です。十二歳で錬金術の国家資格に合格した天才であり、鋼の錬金術師の二つ名を持っています。

「立って歩け、前に進め あんたには、立派な足がついてるじゃないか」

信じていたものに裏切られ、これから何にすがって生きていけばいいのかと泣くロゼに対しての返答がこれです。

今まで信仰だけを支えに生きていたロゼは、これを気に自分の意志で動きだします。この後過酷な運命を歩んだであろう彼女ですが、次にストーリーに現れる時には笑顔で自分の足で歩いているのです。

「人間なんだよ  たった一人の女の子さえ助けてやれない ちっぽけな人間だ………!!」

軍属の錬金術師である国家錬金術師のエドワードは、軍の狗だ悪魔だと罵られることも日常茶飯事です。それでも元の身体に戻ると決めたのは君自身だ、とロイに言われた際に返した言葉がこれです。

常人から見ると万能に見える錬金術を使うエドワードですが、一人の少女ニーナを救えなかったことに無力さを味わいます。この時の後悔は最終巻にまでつながっており、エドワードとアルフォンスの行動の指針の一つとなっていきます。

「お前の手は人を殺す手じゃない 人を生かす手だ」

両親の敵である傷の男(スカー)を前にしたウィンリィは、落ちていた拳銃を手に取り撃とうとします。しかし撃つことが出来ずに泣く彼女に対して、かけた言葉がこれです。

復讐者として動いている傷の男(スカー)に対して、復讐心を抱くウィンリィから、憎しみの連鎖を感じるシーンです。しかし、ウィンリィにはそのような道に進んで欲しくないというエドワードの、祈るようなセリフにウィンリィは思いとどまる事が出来ました。

「立てよ ド三流 オレ達とおまえとの格の違いってやつを見せてやる!!!」

最後の戦いで皆で協力してホムンクルスを追い込んだ際に言った言葉です。

これは1話の最後のセリフとほぼ同じセリフであり、1話のセリフのカッコよさに痺れた人も多いでしょう。その1話と同じ意気込みを感じるのと同時に、オレ達と仲間と共に来た成長を感じる事ができるセリフです。

「等価交換だ 俺の人生半分やるから おまえの人生半分くれ!」

全てが終わった後に、ウィンリィに言ったプロポーズの言葉です。

錬金術師らしい理屈っぽさと、精一杯かっこつけたエドワードらしいプロポーズでしょう。これに対しての「半分どころか全部あげるわよ」という返答を含めて非常にきれいに収まっており、最終回にふさわしいセリフです。

アルフォンス・エルリック

主人公エドワードの弟です。鎧の姿をしていますがその中に肉体は無く、魂のみの存在となっています。

「生きて生きて生きのびてもっと錬金術を研究すればボク達が元の体に戻る方法も・・・ニーナみたいな不幸な娘を救う方法もみつかるかもしれないのに!!それなのにその可能性を投げ捨てて死ぬ方を選ぶなんてそんなマネは絶対に許さない!!」

アルフォンスを守るために犠牲になろうとしたエドワードに対して、アルフォンスが放ったセリフです。

直前のセリフでエドワード自身が言っていますが、エドワードが逃げればアルフォンスは殺されていたかもしれませんでした。アルフォンスを見捨てる事は出来ないというエドワードの兄らしい感情が現れた自己犠牲でしたが、アルフォンスはそれに対して激昂します。

一見アルフォンスの我がままな理不尽な様にも見えますが、その後最後まで続いていく兄弟の諦めない信念の根本ともいえるセリフです。

「ダメ人間じゃないよ 何かに一生懸命になれるって事はそれ自体が才能だと思うし それにすごい記憶力あるし 自信持っていいよ」

本にのめりこむ事しかできないダメ人間と自分を卑下するシェスカに、かけた言葉がこれです。

おずおずとした様子で部屋に入ってきたシェスカは、この言葉を聞いて笑顔でありがとうと返します。本にのめりこみ過ぎて仕事を首になったシェスカですが、その能力を発揮したことで軍部に雇われる事になります。努力の天才であるエドワードをすぐ隣で見続けてきた、アルフォンスだからこそ出た言葉です。

「たしかにこの身体だと不自由な事はたくさんある だけど不自由である事と不幸である事はイコールじゃない 哀れに思われるいわれは無いよ!」

鎧に魂だけの身体を哀れむ、傷の男(スカー)に対して言った言葉です。

このセリフより前の巻で自信の身体のことについて深く悩んでいたアルフォンスが、出した答えがこれです。常人とは大きく違う身体であることや、錬金術というものに対しての覚悟のこもった言葉です。

「10もらったら自分の1を上乗せして11にして次の人へ渡す 小さいけど僕達が辿りついた「等価交換を否定する新しい法則」です これから証明していかなきゃいけないんです」

全てが終わった後にアルフォンスがグレイシアに語った、エルリック兄弟の結論です。

最初から何度も出てくるう等価交換の法則ですが、エルリック兄弟は作中で何度も等価交換では言い表せない事象に出会って行きます。それはプラスの結果のものも、マイナスの結果の物もあり様々です。等価交換とは何かを得るためには同等の対価を払わなくてはならないというものですが、対価以上のものをもらっている事に気付いた彼らの結論でした。

ウィンリィ・ロックベル

エルリック兄弟の幼馴染です。機械の義手、機械鎧の技師で、エドワードの機会鎧も彼女が整備しています。

「自分の命を捨てる覚悟で偽物の弟を作るバカがどこの世界にいるってのよ!!あんた達たった二人の兄弟じゃないの」

肉体のなくなってしまったアルフォンスは、自分の存在そのものの有無について悩んでいました。そんなアルフォンスが、自分は作り物の弟なのではないかとエドワードに言った後にウィンリィが言ったのがこのセリフ。

兄弟本人たちよりも二人の関係をよく見ており、心から心配できるウィンリィだからこそ言えた怒りの言葉です。アルフォンスはウィンリィに怒鳴られたことでエドワードの元に謝りに行き、兄弟の仲をより深めることが出来たのでした。

「勘違いしないで 理不尽を許してはいないのよ」

両親の敵である傷の男(スカー)の怪我を治療しながら言ったセリフ。

このウィンリィの覚悟のこもった行動により、傷の男(スカー)と協力関係を築くことができました。復讐のために行動していた傷の男(スカー)に対し一つの答えを提示した、この物語自体の結論の一つとも言えるセリフです。

ヴァン・ホーエンハイム

エルリック兄弟の父です。歳をとらない身体をしています。

「お前はすぐ諦めた だがお前のお母さんはお前が生まれるまでずっとずっと持ち続けて守った お前を嫌っている人間が出来る苦労ではないだろう 愛情がないとかそんな事言うな」

エドワードの幼少期、母親のトリシャが弟であるアルフォンスにばかり味方していることに拗ねていました。そんなエドワードにホーエンハイムは、水入りのバケツを持っている様に言いますが、エドワードはすぐに持つのをやめてしまいます。そのバケツは生まれたばかりの赤ん坊と同じ重さでした。ホーエンハイムがそのことを明かしながら、エドワードに言ったセリフがこれです。

父親らしい事をしてやれなかったと悔やむシーンの多いホーエンハイムの、父親らしいエピソードです。

「感情を捨てたおまえが 俺達に簡単に勝てると思うなよ」

賢者の石に宿る命をただのエネルギー体としか考えていないホムンクルス(お父様)に対して、エネルギー体となってしまった生命たちと共に戦うホーエンハイムが言ったセリフです。

人間とは何かという問いは、アルフォンスの身体や合成獣となった人など、様々な形で作中に問われます。その中でもただのエネルギーになってしまった生命は、人間と定義するのは難しいのではないでしょうか。ホーエンハイムはそのエネルギー体たちを、個々の人間として尊重し、共に戦う準備を続けてきたのでした。

トリシャ・エルリック

エルリック兄弟の母です。兄弟が幼いころに、病気で亡くなってしまいます。

「どんな姿になっても 皆で一緒に笑って写真を撮りたいの だからずっと家族でいて 自分から距離を置いて遠い存在になったりしないで 「化物」だなんてそんな言葉で自分を傷つけないで」

子供たちの成長をみて、成長しない自分は化物なのだと自虐するホーエンハイム。それを聞いたトリシャは、写真屋を呼んで家族写真を撮る事にします。突然のことに驚くホーエンハイムに対して、写真を撮る直前に言ったセリフです。

ホーエンハイムはここから、自分もトリシャや子供たちと共に老いて死にたいと望むようになります。この後ホーエンハイムはホムンクルス(お父様)の野望を阻止するために旅に出るため、これが四人そろっている唯一の家族写真となりました。

イズミ・カーティス

エルリック兄弟の錬金術の師匠です。兄弟の第二の母親の様な存在でもあります。

「貴方 自分を信じなよ 貴方の魂に恥をかかせない生き方を選べばいいじゃない」

国民を犠牲にしようとしていた将校に対して、何を信じたらいいのかと拳を握りしめる軍人に対して言ったセリフです。直前に将校をスリッパで殴っているイズミですが、それまでのシーンと違い諭す様に言う姿が印象的です。

軍人として将校に従っていた彼らですが、この言葉に家族のことを思い出し、自ら軍帽を脱ぎます。

ロイ・マスタング

エドワードに国家錬金術師になる道を示した人物です。大総統になるという野望があります。

「わかった 置いて行く 置いて行くから追いついてこい 私は先に行く 上で待っているぞ」

先の戦闘で足が動かなくなってしまったハボックを、見捨てる事が出来ないでいるロイ。ハボックはそんなロイに、置いて行けよと怒鳴ります。それに対しての返答がこのセリフです。

結局見捨てる事が出来ないロイですが、そんなロイだからこそ付いていこうという部下たちがいます。ハボックもまた、彼なりの方法で追いついて来るのでした。

「理想とか綺麗事と言うが それを成しとげた時それはただの可能な事に成り下がる」

悲惨な内戦を経験したロイは、自身の無力さを痛感します。その中でも理想を語るロイ。それをヒューズは理想論だと返すヒューズに言ったセリフです。

その時に語った、一人一人が守れるだけの者を守っていくという理想論を可能にするために、ロイは大総統になるという野望を抱いたのです。

リザ・ホークアイ

ロイの右腕です。狙撃の名手であり、鷹の眼と呼ばれています。

「死なないわ…私はね…命令で死ねない事になってるのよ」

ロイに要求を飲ませるための人質として、リザは大けがを負わされてしまう。早くしなければリザは死んでしまうと、急かす敵に対してのリザのセリフです。

リザは以前、ロイが死んだという誤報で戦意を失い殺されかけています。それに対してのロイの叱咤に対する答えと、覚悟がこのセリフに現れています。

ノックス

検死専門の鑑定医。

「こんな俺でもよぉ……家族とコーヒー飲むくらいの幸せは願っていいよな……?」

かつては人体実験に加担させられて心を病んでしまったノックスですが、ひょんな事から訳ありのけが人を治療しすることになります。久しぶりに人を助ける行動を行った彼の元に、別れた妻と別居している息子が訪ねてきました。家族たちの声を聞きながらコーヒーを入れるノックスの口から、出てきたセリフがこれです。

長く罪の意識に苛まれていたノックスですが、少しづつ自らの人生に向き直るようになれたのではないでしょうか?

ゾルフ・J・キンブリー

錬金術で爆発を引き起こす殺人狂。

「死から目を背けるな 前を見ろ あなたが殺す人々のその姿を正面から見ろ そして忘れるな 忘れるな 忘れるな 奴らも貴方の事をを忘れない」

悲惨な戦場の中で、どうしてこんな事になってしまったのでしょうと嘆くリザや、憔悴しきった軍人たちに対して言い放ったセリフです。

軍人である以上人を殺さなくてはいけないという事に対しての責任として、重くのしかかる言葉です。

ホムンクルス(お父様)

フラスコの中の小人。作中のホムンクルスの祖です。

「知識は何よりも宝になる そして重荷にならない 生きていくための力だ」

名もなき奴隷だった若き日のホーエンハイムに、知識を教える際のセリフです。

ホーエンハイムはここから知識を得て、奴隷生活から抜け出す事が出来ます。知識を与えられたのはホーエンハイムですが、フラスコの中から出られなかったホムンクルス自身が欲しかったものもまた知識なのかもしれません。

キング・ブラッドレイ(ラース)

大総統。七つの大罪「憤怒」のホムンクルス。

「ただいま諸君 私が留守の間にずいぶん賑やかになっているではないか これより私自ら指揮を執り反逆者を排除する 手の空いている中央兵は手伝いたまえ」

中央司令部のほとんどの制圧が完了し、勝利が確定したと安心している一同の元に響いたセリフです。

このセリフから空気が一変します。乗っていた電車を爆発させて負傷させたはずのブラッドレイは、この場に現れない予定でした。しかしその能力で爆発から逃れたブラッドレイは、正面から堂々と攻め込んできます。かっこよくも絶望的なシーンです。

「愛だの悲しみだのとくだらぬ言葉を垂れ流すな小娘 なめるなよ あれは私が選んだ女だ 私とあれの間に余計な遺言など要らぬ 王たる者の伴侶とはそういうものだ」

傷つき動くことも出来なくなったブラッドレイに対して、ランファンが妻に残す言葉もないのかと聞いた事に対する返答です。

かつて全てお父様に与えられた人生だと語っていたブラッドレイですが、同時に妻は自分で選んだと言っています。血も涙も無いと言われたブラッドレイの、妻に対する信頼が見えるセリフです。

プライド

七つの大罪「傲慢」のホムンクルス

「自分だけ良ければこの国がどうなっても良いという考えは持たず 中央に戦いに来ました それが貴方達人間なのです」

儀式に必要な人間が国外に逃げたらどうしていたのかと、アルフォンスに問われたときの答えです。

これに対しアルフォンスは、褒められているのかなめられているのか分からないと思います。褒めてもなめてもいない、人間ならざる者であるホムンクルスから見た人間の評価なのかもしれません。

グリード

七つの大罪「強欲」のホムンクルス

「俺に言わせりゃ、欲に貴賤は無え 「欲」っつうもんにえらそーに格付けするから 人間ってのはややこしいんだよ」

万が一の時の為にウィンリィを国外に逃がそうとするエドワードですが、ウィンリィには万が一も無いと怒られてしまいます。国を守って自分の望みも叶えてと言うウィンリィの事を、グリードは強欲と称し、このセリフを言います。

欲は人の本心からくる願いだと言うグリードからすれば、崇高な願いも安易な願いも同じだと言うのでした。

傷の男(スカー)

かつて虐殺されたイシュヴァールの民の生き残り。国家錬金術師を憎んでいて、殺して回っています。

「兄者は「正の流れ」「負の流れ」と言ったが 矛盾したそれらを両方抱えている己れは どこへ流れて行くのだろうか・・・」

憎しみの対象であるアメストリスを救うために、形勢逆転の錬成陣を発動させる際のセリフです。

傷の男(スカー)登場時は復讐者として、分かり会えない敵でした。しかしこのシーンでは、同じくアメストリス軍に恨みがあるであろう同胞たちと共に、アメストリスを救うために行動します。そういった矛盾への戸惑いと、未来への希望の見える言葉です。

リン・ヤオ

シン国の皇子の一人。世継ぎ争いに勝利するために不老不死の法を求めている。

「手ぶらで帰ったら腕ぶった斬ってまで尽くしてくれた臣下に合わせる顔が無いだろうがッッ!!!!」

グリードとの命がけの取引の最中に言ったセリフです。

不老不死の力に近いホムンクルスを追っていたリンですが、ホムンクルスの情報を持ちかえるために高確率で失敗し死ぬ方法にかけます。それは肉体にホムンクルスを入れ込んで、自らホムンクルスになるという方法でした。リンの体内の中、入りこんできたグリードに向けてはなった覚悟の言葉です。

まとめ

キャラクター個々が、それぞれの思いや過去を背負っている「鋼の錬金術師」。

この作品には、このページで書かなかった名セリフや、セリフで選べない名シーンもまだまだあります。

私自身、読み直したことで新たな発見や変わらない感動がありました。

これを気に皆さんも、再読や購買を考えてみてはいかがでしょうか。

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