Hump Backというガールズバンドをご存じですか?
彼女たちの代表作「拝啓、少年よ」のYouTube再生回数が180万回を越え、大きな話題となった今注目の大阪発の3ピースインディーズバンドです。
女性だけでなく男性にも、さらには「ガールズバンドは苦手」という人にも、幅広く支持されるHump Back。
その歌詞の世界観は、日常的なものに比喩を組み合わせたようにどこか不思議で、1つの曲の中に時に激しさと時に穏やかさが交じり合っている点が特徴です。
シンプルな歌詞なのに、その中には芯をつくような生きる葛藤をストレートに歌っており、その歌詞をまっすぐな力強いサウンドで表現しています。
自然体な歌詞とまっすぐで力強い歌声は聴く人の心にスッと入ってきます。初めて聴くという人の中にも、魅了されファンになる人は多いのではないでしょうか。
私も、ガールズバンドはかわいさ重視のイメージがありあまり好んで聴かなかったのですが、Hump Backにはすっかりはまってしまいました!
そんなHump Backの魅力に迫ってみたいと思います。
目次
Hump Backメンバープロフィール
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2009年に高校の軽音部でチャットモンチーのコピーバンドから始まったHump Backは、
- 林萌々子(ボーカル・ギター)
- めぐ(ベース・コーラス)
- ゆっきー(ドラム)
の3人で結成されました。
確かに、メンバーの雰囲気やPVの様子を見てもチャットモンチーを想起させるほど雰囲気は似ています。以下はメンバーの紹介です。
ギターボーカル:林萌々子
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ボーカル&ギター担当の林さん。
バンド結成後にはメンバーが幾度か入れ替わるものの、唯一のオリジナルメンバーで、全楽曲の作詞作曲も手がけています。
2018年のこなそんフェスのステージで、
「チャットモンチーは、バンドの面白さ、続けることのかっこよさ、バンドの美しさを教えてくれた。私の青春のすべてです。散々夢をもらって、散々青春をもらったので、私はこのバンドで次はだれかの青春になります。」
と涙ながらに伝えている場面が印象的です。
チャットモンチーの影響をバンドだけでなく、自分の人生にも強く受けているということが伝わる言葉でした。
メンバーの脱退も幾度かありましたが、ギター1本で弾き語るソロプロジェクトとして一人でHump Backをやり続けるほど、バンド活動には誰よりも熱い想いを持っています。
「待ってくれているファンが1人でもいるなら」と、ソロ活動を続けており、彼女のバンドへの向き合い方はまさに若いアーティストのお手本だと感じます。
CINRANETのインタビュー記事では
「生活の中にあるものでは人が好き」
と主張しており、人と出会うためにライブをやり、人の優しさを信じるために生活を歌うということが、今も昔も林さんの音楽活動の原点なのかもしれません。
ベースコーラス:ぴか
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ベース&コーラス担当のぴかさん。
2015年の5月にHump Backに加入しました。高校時代にラジオで知った閃光ライオット初代グランプリ「Galileo Galilei」のとても強烈なファンのようです。
また、SNSで「ゲーム実況をよく見てます」と発売日に買ったゲームの写真をアップしていることからも、ゲーム好きということがうかがえます。
童顔でかわいいなどともネット上で話題にもなっていますが、酒癖が悪いという一面も…。
いい意味で身近な印象を与えてくれるぴかさんは、Hump Backをより近い存在に感じさせてくれる大切な存在な気がします。
今年の7月には結婚発表をしており、自身のTwitterアカウントを通じて「バンドも私生活もたのしくやってきます!」と結婚をファンに報告しています。
これからもメンバーの一人として活動を続けてほしいですね。
ドラムコーラス:美咲
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ドラムス&コーラス担当の美咲さん。
2016年2月にHump Backに加入した、新しいメンバーでもあります。
ルーツバンドはELLEGARDENで、プレイヤーとしてもドラマーの高橋さんから非常に影響を受けています。
ELLEGARDENを知ったのは活動休止後だったという事でライブを見たことはまだないそうです。
林さんやぴかさんだけではなく、他のバンドのドラマーの方々と一緒に過ごしていることも多いとの情報も。
メンバーの中ではお姉さん的なポジションの美咲さんの存在はとても心強いので、今後もグループ全体を客観視しながら率先してバンドを引っ張っていって欲しいですね。
Hump Backの経歴
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結成して10年以上がたった今、ますます注目を浴び始めているHump back。
そんな彼女たちの経歴をまとめてみました。
2009年5月に高校の軽音楽部にて、林萌々子・めぐ・ゆっきーで結成。当時はコピーバンドを中心に活動していました。
2012年、10代のアーティストのみによるティーンネイジロックフェス、「閃光ライオット 2012」に出場し、第3次審査・大阪大会まで進出。
2013年4月にゆっきー脱退。5月に新メンバーとして373が加入しました。12月にめぐが脱退することとなり、活動を一時休止することになります。
2014年5月にせつこをサポートメンバーとして加え活動を再開。
2015年1月には373脱退し、林のソロプロジェクトとなります。5月に、ぴか、カンナ加入したことをきっかけに、バンド活動を再開します。
しかし、10月にがカンナ脱退。
2016年2月に美咲が加入して、現行体制となります。
8月には、インディーズレーベル「WELL BUCKET RECORDS」に所属。
12月7日に 1stミニアルバム『夜になったら』を発売、インディーズデビューします。それに伴い、翌年1月7日から全国6ヶ所を巡るリリースツアーを敢行します。
2018年の 1月から全国30ヶ所を巡るリリースツアーを成功させ、6月20日に1stシングル『拝啓、少年よ』を発売。
メジャーレーベルであるVapからのリリースとなりました。以降、現在に至るまでに多数の楽曲とツアーを敢行しています。
紆余曲折しながらある現在
結成から10年がたち、ようやく脚光を浴びるようになりましたが、彼女たちのこれまでは決して一筋縄ではいきませんでした。
メンバーの入れ替わりなども多くあり複雑なものでした。そうした紆余曲折した経歴を経てきたからこそ、人の心にずっしりと響くバンドとして活躍しているのかもしれません。
一人でもバンドを続けた林さんはCINRANETのインタビューで
「バンドっていうもの以上に、今のメンバー2人と一緒に何かをやることへのこだわりは強烈にありますね。言われた通り、本当に信頼できる人と何かをやることの喜び。そういう気持ちが、バンドを選び続けて、バンドが一番好きやっていうことに繋がるんやと思います。昔はそこまで言語化できなかったですけど、現状としては、ようやく本当に信頼できる人と出会えたので。そこで初めて、自分はそういう人の繋がりを欲してたんやろなって思えます。」
と主張しています。
メンバーの入れ替わりも立て続けにあり、活動休止ということもありましたが、現在ようやく安定したバンド活動が続けられるようになったという、そんな安心感もこのメッセージには秘められています。
「あの頃の大変さも必要だった」と、今のHump Backを肯定し、今のメンバーへの信頼感も感じているようです。
Hump backのおすすめの曲
一見クールな3人が歌う曲は、ガールズバンドにありがちなかわいさを売りに出すのではなく、まさに楽曲勝負。
そんなHump Backの曲の中で、ぜひ初めて聴く人にも楽しんでもらいたい、おすすめの曲を3曲紹介します。
星丘公園
冒頭から疾走感のあるロックサウンドで、グッと心がつかまれる曲です。
さらにセンチメンタルな雰囲気も併せ持っていることからも、せつない気持ちとあっさりした爽やかな気持ちが胸に迫ってきます。
歌詞の中で出てくる“僕”という表現が、さらに聴く人を魅了します。
少年の心を持った女子達にとって、心からカッコいいと思える音楽を、夢物語ではなく、現実的な部分に寄り添って共感してくれるところがこの“僕”という表現にはあると思います。
とにかくロックンロールを全力で歌っている曲なので、ロックンロール好きは必聴の一曲です。
拝啓、少年よ
この曲は私も落ち込んだ時や、悩んだ時にふと聴きたくなる曲です。
「夢はもう 見ないのかい?」という曲の入りにはいつもハッとさせられます。
「拝啓、少年よ」というタイトルでありながらも、大人に向けた歌詞となっています。今もし自分が満足する人生を生きられていないなら、今からでもやり直すことができる、と背中を押してくれる楽曲です。
また、曲のテンポもリズムもよく、前向きになれるリズムも歌詞とマッチしています。
林さんもこの曲について、「あの歌詞も、実は高校生くらいの時に書いていたのを今改めて歌ったもので。それに対して、今の自分たちが説得力を持たせてる感覚なんですよ。」と語っています。
若い頃に綴った彼女たちの応援歌は今もその軸はぶれないまま、輝いて歌っている今の彼女たちがさらに説得力を持たせてくれているような、そんな一曲です。
僕らは今日も車の中
この曲の歌詞には、まるで生活を切り取った情緒が組み込まれています。
もともとストレートな歌詞が彼女たちの魅力ではありますが、この曲の歌詞はさらに赤裸々に彼女たちの日常を描写しています。
この歌詞を書いた林さんは「ただの実話なんですよ。遠征帰りの車の中で寝ていたら、ドラムの美咲が「月が綺麗やから、見て!」って起こしてきたんですよ。
それをみんなで見て「綺麗やな!」って言って――生活をともにできて、全力で笑って、全力で泣くことを一緒にやれてる人がいる。
月を見ながら、その幸せをまさに感じられた瞬間やったんです。」と実体験をもとにしていることを語っています。
曲の最後の「こんなことを幸せと呼ぶのさ」という部分では、まさに忙しく日常を送る彼女たちの生活の中で見つけた「幸せ」を象徴しています。
何気ない自分の日常の中にも、「幸せ」って当たり前にあるのだということを気づかせてくれる一曲です。
他にも魅力的な曲がたくさんあるので、ぜひ聴いてみてください!
まとめ
さまざまな困難を乗り越えて、紆余曲折しながら遅咲きの大輪を咲かせた彼女たちに、今後もますます期待しています!どんな曲が出ても、ストレートな自然体の歌詞で世の中の人々を魅了し続けるのだと思います。そんな、心に響く歌詞を歌っているだけではない、彼女たちの生き方や音楽への情熱をこれからも応援していきたいと思います。今後のライブ活動やフェスの参加などもチェックしてみてくださいね!