「ROOKIES」などのヒットで知られる森田まさのりによって描かれた「ろくでなしBLUES」は、週刊少年ジャンプで1988年から1997年まで連載された不良系少年漫画です。
不良高校生、前田太尊が繰り広げる高校生活を中心に、様々な角度で描かれる人間ドラマはバトル系ヤンキー漫画という枠を超え、当時、様々な読者層から人気を獲得しました。
そして、2011年には実写ドラマ化もされ、今では世代を超えて愛されています。
今なお色あせない魅力が詰まったこの名作を名言とともにご紹介します。
目次
ろくでなしBLUESとは
舞台は東京吉祥寺にある帝拳高校。主人公・前田太尊が帝拳高校に入学したところから物語は始まります。
「頭は弱いがケンカはめっぽう強い」。そんな太尊の夢は、プロボクサーになり、世界チャンピオンになること。
しかし現実では常にトラブルが絶えず、太尊はケンカ三昧の毎日を送ります。
中学時代からの盟友・山下勝嗣と沢村米示を率いて、帝拳高校の上級生や校外問わず不良達を屈服させる太尊。
そんな太尊の強さに東京中の不良達も注目し、太尊が東京四天王の一人と数えられると、争いはさらにヒートアップ。
シリアスな抗争もさることながら、コミカルな日常、ヒロイン・七瀬千秋との恋など、
青春要素も織り交ぜながら、太尊の高校生活が過ぎていきます。
そんな高校生活が終わる時、太尊の夢であるボクサーの道は開かれるのか。
敵、味方、そして教師まで、魅力あふれるキャラクター満載のこの物語は、ヤンキーバトル漫画というジャンルを超え、感動を与えてくれる作品です。
ろくでなしBLUESの名言集
前田太尊の名言
「セーラー服…着てねれらっちゃれらーっ!?」
入学早々、太尊が千秋に言った名言。
女子の制服がセーラー服であることを帝拳高校入学希望のひとつにしていた太尊。しかし、制服は今年からブレザーに変更になりショックを受ける。
太尊が本気で怒った時に呂律が回らなくなるという、定番の設定が最初に出たシーンです。
「ちくしょオ~~~~~っ」
正道館番長・葛西にタイマンで敗れた時の太尊の名言。
涙脆く、もらい泣きはしょっちゅうの太尊が、はじめて見せた悔し泣きをする印象的なシーンです。
「力が信頼を生むんじゃねぇ。信頼が力をくれんだよ。」
太尊vs川島のタイマンでの太尊の名言です。
恐怖で人を支配しようとする川島に対し、真逆の信念を持つ太尊。
ろくでなしBLUES史上最高の名シーンと名高い場面でのセリフです。
「明日死んだらどーする!?今一番やんなきゃなんねー事をやってからじゃねーと死にきれねーんだ」
プロボクサーライセンス取得後、やられたヒロトの仕返しに横浜進光工業へ
向かう時の太尊の名言です。
仲間の為、夢を捨てる覚悟を持って動く太尊の性格と魅力が詰まった名セリフです。
鬼塚の名言
「来たのは間違いかもな、目的が変わりそうだ。アバラが疼くんだよ」
池袋での東京四天王vs大阪・極東高校戦前夜の鬼塚の名言です。
過去に池袋・正道館の葛西に敗北経験がある鬼塚。
今回は極東高校の争いの為、池袋に降り立ったが、常に打倒・葛西に燃える鬼塚の執念を感じさせる名シーンです。
「力だけじゃ何も生まれねーよ」
池袋での東京四天王vs大阪極東高校戦にて鬼塚が川島に言った名言です。
過去、太尊と戦った時にはじめて仲間の大切さを学んだ鬼塚。
今の川島に過去の自分を重ねて発されたこのセリフは深みを感じます。
薬師寺の名言
「おし んじゃ 行くぞ」
東京四天王vs大阪極東高校戦にて吉祥寺駅で電車から降りる際に言った薬師寺の名言です。
太尊と同じく仲間を大切にしている浅草笹崎番長・薬師寺の性格が垣間見える隠れた名シーンです。
葛西の名言
「止まれねーんだよ」
吉祥寺帝拳vs池袋正道館戦中、水族館にて、マグロを見ながら葛西が言った名言です。
過去に1度きりの敗戦で、自分のもとから全ての仲間が去って行くという辛い経験をした葛西。このことがきっかけで、葛西は常にケンカで勝ち続けようと止まれなくなっていた。
「勝たないと仲間が離れてしまう」という葛西が秘めた恐怖心を葛
唯一の理解者である坂本につかれ、葛西は坂本を返り討ちにしてしまう。
その後、葛西の口から発せられたセリフから、葛西の苦悩が感じられます。
「前田…てめー お前は…怖くないのか」
吉祥寺・井の頭公園での太尊との二度目のタイマンにて葛西が言った名言です。
敗北し仲間を失う怖さがない太尊に、葛西は心の面で敗北を感じた瞬間です。
太尊と葛西という両極端なキャラクターがここでははっきりと描かれています。
川島の名言
「人を支配できるのは恐怖だけや…」
太尊vs川島のタイマンでの川島の名言です。
信頼していた兄の死、裏切りなどで、心がねじ曲がって育ってしまった川島。
こんな川島の信念が詰まったセリフです。
大場ヒロトの名言
「帝拳なんかクソだぜェ!! 俺が大場ヒロトだ!!」
帝拳一年のヒロトが堀内学園の制服をしてケンカし暴れてる時の名言です。
太尊を慕い続けていることが、いつしか虎の威を借りていることに気付いたヒロト。
太尊への嫉妬や自身の存在意義への疑問など、ヒロトの晴れない気持ちが描かれた印象的なシーンです。
畑中の名言
「棄てたぜ」
大学の推薦をかけたボクシングインターハイ予選時の畑中の名言です。
この試合に勝てば大学推薦が決まる畑中。
緊張を胸に畑中がリングに上がろうとしている時、太尊は試合の妨害を企む角海老・平仲を止めにかかっていた。
太尊は自身が暴力を振るえば畑中の推薦の話が消えてしまう為、平仲の攻撃を無抵抗で受けています。
太尊が自分を庇って体を張っていると知り、畑中は前田のもとに駆け付けた際にこのセリフを言います。
畑中の覚悟、男気が感じられる格好良い名シーンです。
平仲光二の名言
「ナメられやがって この握り金玉が」
角海老・平仲が太尊にやられた自身の舎弟に対し、説教しながら言った名言です。
言葉の意味は分からなくともインパクトのあるセリフです。
真冬の名言
「夢けとばして スネるくれーなら 男やめな」
真冬がボクシングを引退しようと悩む原田成吉に言った名言です。
過去に自ら命を落とそうとしたところを、太尊に助けられたことがある真冬が言う、説得力のある活の入れ方が印象的です。
輪島の名言
「年くった分出遅れたなんて思っちゃいない。ここで得た物を今後の人生にいかに活かすかだ。」
帝拳高校卒業式にて答辞を読む輪島の名言です。
留年を重ね、高校に6年通った輪島。無駄に年を取ったわけではない21歳となった輪島の高校生活最後の名シーンです。
島袋の名言
「俺の受け身にかなう奴わいねぇ!」
帝拳vs楽翠の抗争時に、米倉商業番長・島袋が登場した時の名言です。
高い場所から恰好良く登場した島袋だったが、恰好悪く着地する。
しかし、柔道実力者の島袋は受け身でしのぎ、無傷で済んだのですが、実に間抜けなシーンです。そこで自慢げにこのセリフを言うのです。
帝拳vs楽翠が幕を開けたばかり緊張感の中、ふと笑いが起きる緩急のついた名シーンです。
まとめ
シリアスあり、笑いありで、ユーモア溢れるストーリーを高い画力で描かれた
「ろくでなしBLUES」。
名言とともに生まれた名シーンの背景はほとんど実際の町並みをモチーフにして描かれており、読み終えた後には訪れたくなってしまいます。
友情・努力・勝利という週刊少年ジャンプ黄金期のエッセンスがふんだんに盛り込まれた、青春のバイブル、「ろくでなしBLUES」を是非読んでみて下さい。