「アツゥイカクラ」とは、北海道に伝わる巨大なナマコの姿をした妖怪です。
アイヌの民話で語られており、北海道の南西部にある噴火湾に現れると言われています。
「アツゥイカクラ」の伝承
アツゥイカクラは川から流れてきた女性の肌着「モウル」が妖怪と化した存在と言われています。
アツゥイカクラは巨大なナマコの姿をしており、その口で海に漂う流木に吸い付いて浮かんでいます。これに気付かずに近付いてしまった船を転覆させてしまう危険な妖怪です。
「アツゥイカクラ」の物語
詳しい物語はあまり伝わっていませんが、アツゥイカクラが現れるという噴火湾には巨大な妖怪がたくさん潜んでおり、同じく船を転覆させたりクジラすら食べてしまう巨大ダコ・アッコロカムイもいると言われています。
アツゥイカクラは流木に近寄らなければ被害は免れるため、まだ噴火湾では優しい方なのかも知れません。
「アツゥイカクラ」の正体
アツゥイカクラの正体は女性の肌着とされています。流木に絡まって漂流するのは納得ですが、近付いた船が転覆するのは近付き過ぎたからか、肌着が船の動力源に絡まってしまい慌てて外そうとした結果、バランスを崩して海に落ちてしまっただけのような気もします。
しかし、船を転覆させる程の巨大ナマコが実際にいたら、ナマコ好きじゃない限りはけっこう精神的にダメージを与えてきそうです。