「今日から俺は」は西森博之原作の千葉県を舞台にしたヤンキーたちのバトルあり、ギャグありの少年漫画。
1988年に増刊少年サンデーで連載された後、1990年から1997年まで週刊少年サンデーに移行し連載される。原作は累計4000万部を超えるほどのヒット作。
過去にOVAでアニメ化や実写化がされているが、2018年には福田雄一監督が脚本・演出を担当しテレビドラマ化もされ高視聴率を残し、映画化も決定した。
2018年に週刊少年サンデーSで今日から俺は!! 特別編の連載が始まり、まだまだ人気は衰えていない。
目次
今日から俺はのあらすじ
三橋貴志と伊藤真司は普通の高校生だったが、転校をきっかけに三橋は髪を金髪に染め、伊藤は髪を逆立てトゲトゲ頭にし、高校デビューを果たす。
偶然にも床屋で出会い、お互いの過去の姿を知ることになった2人は、転校初日にまた出会い、同じ学校のクラスメイトになった。
派手な頭をしていたせいか2人はすぐに上級生のヤンキーに目をつけられ、呼び出されるが、三橋はずる賢さと素早さで、伊藤は根性と体力でそれぞれ回避していた。
お互いに相反する性格のせいか最初は反発しあうが、妙な腐れ縁でつるむことも多くなる。突然ツッパリになった2人が、不良たちに伝説と呼ばれるほどのコンビになるまでを描く物語。
今日から俺はの名言・名台詞集
三橋貴志の名言
「伊藤は俺よか強えーーーー!」
紅高の藤田に目つぶしを食らってタイマンで負けた伊藤。
伊藤はリベンジで藤田を呼び出す。
一方、三橋は関係ないと言いつつも藤田が用意した伏兵・黒川たちを退治した。
黒川に「お前(三橋)は伊藤より強いが、藤田は俺(黒川)より強いから、俺に戸惑っているなら伊藤は藤田に勝てるわけない」と言われた。
刃物を取り出し三橋に襲い掛かるが、このセリフで黒川をやっつけた。
口では何と言っていても伊藤の強さを信じていることがうかがえる。
「あーゆーヤクザモドキとケンカする奴はバカだ!俺ならゼッタイあんなのとはかかわらん!」
理子は不良・太田に絡まれ、投げ飛ばしてしまう。
根に持った太田は理子一人を呼び出し、タイマンを申し込んだ。
しかしまともに戦うと負けると判断した太田がドスを出し、理子に襲い掛かった。
気になって後をつけていた三橋が理子を助け出し、怒鳴りつけた時のセリフ。
しかし三橋は理子がけがをしたことを知ると、後でこっそり太田に復讐しようとする。
女の子には危ないことをするなといいながらも、きっちり仇を取ってあげるやさしさも持っている。
「俺は伊藤のダチだぜ」
京子は伊藤にプレゼントしてもらったばかりの鞄を不良に奪われてしまい落ち込んでいた。
心配した三橋が理由を尋ねるが、京子は事情を話そうとしなかった。
深刻さを感じた三橋がこのセリフで事情を聴きだす。
この後奪われた鞄を単身で乗り込んで取り返し、鞄の補修までして京子に返してあげる。
「チンチクリンがやられた ヨワムシがやられた ボケナスがやられた…こいつは俺がやる!!」
半年ほど修行して強くなったという相良が帰ってきた。
その相良が復讐に三橋の周りの人間を狙った。
理子、良、今井が派手に怪我をしたのをみて本気で切れた三橋。
相良は相当強くなっていたが、本気で切れた三橋の敵ではなかった。
三橋はまったく卑怯な手を使わず無傷で相良をやっつけた。
「テメーなんかに言われたかね──!!テメーにアイツの何がわかんだよ!!バカにしてんじゃねー!!」
金で人を雇って支配する福田・その子分だった長井が軟高へ転校してきた。
三橋やほかのせいと仲間たちは、長井をスパイだと疑うが、伊藤だけは長井を信じた。
そのことで伊藤と三橋の仲が険悪になっていく。
長井はやはりスパイで自分の彼女がさらわれたから伊藤に一人で来てほしいと電話で呼び出しをかけた。
罠に勘付いた三橋は、長井たちが伊藤のところへ向かう前に先回りして引き留めた。
三橋が一人で来たことを知ると長井は強気になり、伊藤の人の良さを馬鹿にし始めた。
それにキレた三橋が伊藤をかばった時のセリフ。
「俺はな卑怯者と言われてっけどな…相手が一人で来るなら、一対一でカタをつける。」
小さな町を牛耳る北川に町を追い出され軟高へ転校してきた高崎。
北川に一矢報いるために、三橋、伊藤と一緒に故郷へ戻ってきた。
三橋がその喧嘩の途中で北川の雇った外国人レスラー・ジャンボを本気で怒らせてしまった。
高崎は3人で協力して倒そうと提案するが、三橋はこのセリフでジャンボに一人で立ち向かった。三橋の卑怯には彼なりのルールがあるから、かっこいいのかもしれない。
「男にはよ、多少敵がいたほうがいいんじゃねーのか?人に好かれるために生きてるわけじゃねェし。」
元はダイエットのため赤坂道場へ通おうとした良井。
そこで三橋と出会い三橋の自由奔放な生き方に憧れて弟子入りする。
良井に男の生き方を教えた時の三橋の名言。
伊藤真司の名言
「そんなおっかないカバンもたなくても、俺が守ってやっからさ」
伊藤は京子が不良とケンカしているところを目撃する。
そして京子の鞄が金具で補強した武器になっていることに気が付いた。
伊藤の前でだけツッパリをやめていた京子。
伊藤は責めることなくバレンタインのお返しだと言って、新しい鞄をプレゼントした。
「けどよ三橋、悪い奴がたまにいいことすると…イキナリ評判があがるぜ!!」
三橋の悪評が高く、一緒につるんでいる理子や伊藤まで評判が悪くなり始めた。
そこで理子が三橋くんにいい事をさせる会を立ち上げる。
三橋はまったく取り合わなかったが、伊藤が最後にこう助言した。
「どうも失礼しました。僕が礼儀知らずでした。」
ケンカで髪を切られ、カッパ頭になった伊藤。
その頭を見られたくなくて帽子をかぶって登校してきた。
面白がった三橋は伊藤の帽子に賞金をかけたり、理子に協力を仰いだり、あらゆる手段をつくしたが、伊藤は絶対に帽子を脱がせなかった。
京子にも見せてほしいと頼まれるが、断固として帽子を脱がなかった。
しかし京子の祖父の家についていくことになり、祖父の前で挨拶をするが、帽子を取らない非礼で京子が侮辱されてしまう。
その時に帽子をとって京子の祖父に謝った時のセリフ。
この後、祖父に思いっきり笑われてしまうが、自分のために恥をかいた伊藤をみて、京子と伊藤の中はますます深まるのだった。
「ピンチ…なんだぜ、アイツが。今、俺を助けに来ねーって事は……俺を………待ってるんだ。ここで行かない奴は、伊藤じゃ…ないぜ。」
高校生活最後の敵は相良だった。
相良の罠にハマって三橋・伊藤・中野は後ろから車で跳ねられてしまう。
とっさのことで避けられなかった3人はそれぞれに重傷を負った。
そして三橋は相良に捕まり、中野と伊藤は河原に捨てられた。
心配して伊藤を探しに来た京子が、負傷してもなお三橋の元へ向かおうとする伊藤を発見した。骨折しボロボロの伊藤に病院へ行くよう引き留めるが、伊藤は三橋がピンチなはずだからと三橋の元へ向かうことをやめようとしなかった。ここまで相手を信頼できるのは数々の修羅場を一緒にくぐり抜けてきたからだろうか。
今井勝俊の名言
「この道通すとマズいよな」
相良一人にやられてボロボロになった今井、谷川、良。
その姿をみて三橋は相良に敵を討ちに行った。
その後に偶然通りかかった開久の相良の仲間が同じ道を通ろうとする。
3人はすでに負傷していて戦える状態ではなかったが、これ以上開久の伏兵を増やさないよう一致団結して足止めをする場面。普段はあまり絡むことのない3人だが喧嘩で生まれた絆を見せてもらった。
「俺は馬鹿力だぁ!!腕力じゃ誰にも負けねえ!!」
負傷しながらも自分より体格のいい小山を根性で投げ飛ばした時のセリフ。
初めて投げ飛ばされた小山はこれをきっかけに今井を尊敬し子分になる。
「人に踊らされてアイツらが殴り合うなんざ、見たかねーよ。」
腕よりも頭脳で勝負するタイプの悪者・多河。
多河は三橋、伊藤の最強コンビという肩書きに嫉妬し、2人の仲を壊しお互いに潰し合わせるという計画を立てた。
その策略にハマってしまい本気で喧嘩をすることになった2人。
ハメられていることに気付いた今井は怒り、2人を助けるために走り出した。
中野誠の名言
「おかしな奴だよ まったく…」
修学旅行先で中野ともめた二人。
伊藤と中野でタイマンを張った。
速さでは中野が勝つももの何度殴られても立ち上がる伊藤。
ケンカで負けたことのなかった中野だが、力の限り勝負して中野は伊藤に負けた。
勝負の決着後、中野に恨みを持つ別の学校の不良たちが追い打ちをかけるように弱った中野を殴り始めた。
それを見過ごせなかった二人は中野に加勢して不良たちを追い払った。
さっきまで敵だったやつが自分を助けてくれた。これは中野にとって今後の人生を変える忘れられない出来事となった。
「本当は、テメーらと、遊んでみたかったんだ。」
相良に車で轢かれてしまい、しばらくの間、気絶していた中野。
重傷を負っていたはずだが、引き返すことも、そのまま休むこともせず、三橋たちの元へ向かった。結果、中野が三橋たちを見つけたのは決着がついた後だった。中野は三橋たちに声をかけることをせず、草むらに隠れて、同じく重傷を負いながらも中野を探し始める三橋たちの様子をしばらく眺めていた。理子に自分が探すから病院に行くようにと言われても、先に帰ったかもしれないといわれても「あいつはそーゆ奴じゃない」と言って三橋と伊藤は中野を探すことをやめなかった。
そんな2人の姿を眺め、中野は三橋たちと出会った時のことを思い出していた。
今まで、カリを返すため、カタをつけるため、色んな理由をつけて三橋たちに絡んできたが、結局すべての行動の理由はここに行き着くのだ。
ひねくれ者の中野が本当の自分の気持ちに気づいた名シーン。
赤坂理子の名言
「一人で帰んのコワイな」
伊藤に家まで送ってもらう京子がうらやましくて理子が言ったセリフ。
いくら強くても理子も誰かに守られたいのだろう。
たびたびか弱さを装って三橋に甘えるシーンがある。
そして三橋も笑い飛ばしたり、悪態をつきながらもそのお願いを聞いてあげている。
理子ほど強い女の子が安心して甘えられるのは三橋くらいなのかもしれない。
「三ちゃんはイバってなきゃヤダ。」
三橋は油断して開久の不良の罠にかかってしまい軽い脳震盪を起こしてしまった。
平衡感覚を失い、身体の自由がきかなくなった三橋は角棒で殴られ続けた。
理子が駆けつけ助けようとするが、理子を巻き込みたくない三橋は、帰るように命じた。三橋の態度から危険な相手なのだと理解した理子。足手まといにならないために、この場を去って助けを呼ぶべきか迷う。無敵だと調子に乗っていた三橋に説教をしていた理子だが負ける三橋の姿を見たくなかったのだろう危険を顧みず、三橋を助けようと戦った。
早川京子の名言
「テメーの仲間が、マジメに学校行きてーって言ってんだろ!!喜んで送り出してやれよ!!それが仲間ってもんじゃねーのか!?テメーらがコイツを殴るってんなら…コイツを裏切ってんのはテメーらだろ!!」
伊藤に真面目になると約束していた京子だが、マジメになろうとしている後輩のためにそれを止めようとする不良仲間に説教するシーン。普段はできるだけ大人しくしている京子だが、たまに啖呵を切るシーンでは伊藤、三橋をもビビらせるほどの恐ろしさがある。
「そんじゃ明日が私の誕生日でいーや。」
高崎を助けるため、先約だった京子との約束をキャンセルした伊藤。
その日は京子の誕生日だった。
京子はキャンセルされる理由をきちんと伊藤に説明してもらうことができなかったが、
背中を叩いて、このセリフで送り出した。この物分かりの良さは見習いたいものである。
谷川安夫の名言
「フフフ、今井さん 今のはカナリヒキョーでしたよ!」
紅高トップの今井に勝負を申し込んできた転校生・小山。
しかし今井は相良に指の骨を折られ負傷していた上に小山は体格が良く強そうだった。
今戦うことを不利に思った今井は谷川を小山に投げつけた。
この攻撃は小山にダメージを与えることができなかったが、今井はその隙をついて逃げだすことに成功した。
谷川を捨て駒にして逃げだした今井。
その様子をみていた周りが谷川を不憫に思い同情する中、谷川だけは今井がだんだん卑怯になってきたことを心から喜んでいた。
今井のことを理解できるのはずっと一緒にいる谷川だけだ。
田中良の名言
「かなわねーかもしれねーけどよ。スジは通させてもらうぜ!! 女のコに拳ふるうんじゃねーよー!!」
明久の相良の拳を防いだものの、まともに受けとめたせいで手をケガした理子。
それを見ていた良が相良を探し出し、制裁に行く。
相手が自分より強いとわかっていても自分の考えを貫きとおす、良は三橋とはまた違う強さを持っている。
「今のは少々、ある男を見本にしました。」
開久の不良に絡まれた理子を助けにきた良。不良が話し終わる前に先制攻撃をしかけ1人目を倒した時に言ったセリフ。良らしからぬ少しだけ卑怯な手口ではあるが、この後もう1人の不良を投げ飛ばし見事に撃退した。三橋のやり方を認めようとしない頭の固い正義感の持ち主だったが、武道も精神もより大きく成長したことが感じられる。
まとめ
この作品はとにかく面白い。熱いバトルシーンや友情エピソードがあるものの、一筋縄ではいかず、絶妙な切り口で笑いに変えられてしまう。かといって全くシリアスな場面がないのかというとそうではなく、バトルも友情もきちんと見せるところは見せてくれている。終始、暴力をふるっている彼らだが、ツッパリ道ともいうべきか、彼らの中にもルールが存在する。彼らが貫く信念に少しずつ理解者が増えていき、彼らなりの方法で悪人をやっつけ、困っている人を助けていくところがいい。
彼らが完全な正義のヒーローであったのなら、あんなに爽快に悪人を懲らしめることはできなかっただろう。色々な意味合いで、読んでいると楽しい気持ちになれる作品である。