妖や人間との心温まるオムニバス形式のエピソードで人気を博した夏目友人帳。
メインキャラクターのにゃんこ先生は、様々な方向にグッズ展開をしているのでそちらだけ知っているという人も多いのではないでしょうか?
そんな夏目友人帳のストーリーの中から、厳選したセリフを紹介します。
目次
- 1 夏目友人帳のあらすじ
- 2 夏目友人帳名言セレクション
- 2.1 「レイコ、もういいのかい?もう一人でも平気かい?」
- 2.2 「だめだよ夏目 君は私の友人だ」
- 2.3 「優しいものは好きです 温かいものも好きです だから人が好きです 夏目様 ありがとう」
- 2.4 「小さい頃は苦手だったんだ でも優しいひと達に出逢えて優しさを知って…逃げたくないって思ったんだ 俺も優しくなりたいって思ったんだ」
- 2.5 「あの子になら祓われてもいいと思った あの子の手柄になるのは喜ばしい 異形とは面倒だね こんな布きれ一枚の礼もろくに出来ない」
- 2.6 「大丈夫だよタマ いかなくていい お前はここにいていいんだよ ご飯もちゃんと食べるんだ いつか旅立ちの日が来てもそれは別れの日ではないのだから」
- 2.7 「−−−そうさ 私は彼女に失望して 意地悪をしてやろうと 小ビンにはぶどうの汁を入れてやったのさ そしたらあの子は泣きそうな顔で笑って「ありがとう」って−−−…私はその時自分自身にも失望してしまったんだ」
- 2.8 「そろそろ君にとって大事なものは人なのか妖なのか決めたらどうだ もう妖なんかに構ってもらわなくても君を見てくれる人達が見つかったんだろう」
- 2.9 「仲直りなんて したことないんだ 誰の背中も追わなかったんだ こんな想いは 知らなかったんだ」
- 2.10 「言っただろう 私はさみしい奴は好きなんだ そういう奴が苦しむのを見るのは好きだ 迎えに来たよ、お前の側にいてやろう。」
- 2.11 「仮にも私はこれの用心棒 次にこれに手を出すならお前らの敵は祓い人ではなくこの私 いつでもかかってくるがいい」
- 2.12 「おれのことは信じなくていい でも この手紙だけは持っていてやってくれ」
- 2.13 「今の顔見れば嘘付かれてるってのくらいわかるんだ!」
- 2.14 「夏目は強いんだよ 私はそういうのが嫌で 煩わしくて とっくに捨ててしまったから うまく言ってやれないけれど 夏目は捨ててはいけないんだ きついかもしれないけど 夏目にはきっと必要なんだ 必要なんだよ」
- 2.15 「私は何も知らないのです 人については何も−−−夏目様 人はどれ程生きることが出来ますか?あの人は生きてるでしょうか」
- 2.16 「いいんだよ 夏目はいつも気持ちをまっすぐ話してくれる だから その夏目が私には話せないと心のどこかで判断していることを 心が決まる前に話す必要はないんだよ」
- 2.17 「妖に惹かれている間は人間の恋人もできないだろう それは不毛だ」
- 2.18 「これは私がやってみたくてやっていることなの うまくいっても失敗しても 負けるのは嫌いだけど やるって決めたことは 私がやりとおしてみたいだけなのよ」
- 2.19 「わたしが・・・・・・・・・・・・ながいかみが さらりとゆれて にこやかで あれば よかったのに」
- 3 まとめ
夏目友人帳のあらすじ
幼いころに両親を亡くした夏目は、親戚の中でたらいまわしにされていました。突然何かに怯えて走り出したり、何もない所に話しかけたりと奇行ばかりの夏目は、周囲の人間から不気味がられて厄介者扱いされていたのです。その奇行とは、妖が見える故のものでしたが、見えない人間達には分かりません。そんな夏目ですが、藤原家に引き取られてから状況が変わります。可笑しな行動をしても見守ってくれる藤原の夫婦や、新しい友人たちとの間で人間関係を築いていくのでした。
一方で夏目は、祖母のレイコの形見の「友人帳」を相続します。それは人間から見ると落書きがつづられた紙束にしか見えません。しかし、その落書きに見えるものは妖たちの名前でした。レイコは様々な妖たちと勝負をしては、負けた相手に名前を書かせていたのでした。この友人帳に名を書かれた妖は、友人帳の持ち主の命令に逆らえません。妖を祓うのを生業とする祓い人の中では、非道な技とまで言われて禁止されている術です。
それを継いだ夏目の元には、たくさんの妖が訪れます。レイコへの恨みからや、たくさんの妖を操ることができる友人帳を奪おうとして、あるいは名前を返してほしいからや、レイコにもう一度会いたくて。夏目はそんな妖たちに名前を返したり、悩みを聞いたり、封じたりしながら日常を過ごしていきます。
夏目と、夏目の死後に友人帳を譲るという条件で用心棒をしてくれる妖の斑(通称ニャンコ先生)を中心にした、心温まる妖や人間との日常をえがいた作品です。
夏目友人帳名言セレクション
「レイコ、もういいのかい?もう一人でも平気かい?」
友人帳に名前があるひしがきは、レイコに名前を呼ばれる日を待っていました。さみしさのあまり、名前を呼んでくれないならとレイコを殺そうと、夏目を襲おうしたひしがき。それは、人間に虐げられていたレイコを思っての優しい思いゆえでした。
夏目はそんなひしがきに対して、祖母はたぶんけして独りではなかったよ、と言ってひしがきに礼を言います。
「だめだよ夏目 君は私の友人だ」
神様は人の信仰が無くなると力を失ってしまいます。ツユカミさまは今は信仰が薄れ、力はわずかとなっていました。
最後の信仰者であるハルさんが亡くなったことで、力を失ってしまうツユカミさま。夏目は自分が信仰してツユカミさまが消えないようにすると言います。しかしツユカミさまにとって、夏目はもう信仰者ではなく友人となっていました。
夏目と人ならざるものの不思議な関係性を感じるセリフです。
「優しいものは好きです 温かいものも好きです だから人が好きです 夏目様 ありがとう」
エサをくれた人間に恩義を感じていた妖の燕は、その人間を探したいので取りつかせてほしいと夏目に頼みます。見つけることが出来た燕は、嬉しそうに彼の周りを歩き回りますが普通の人間に妖は見えません。
そんな姿を見た夏目は、一晩だけ人間になれる着物を手に入れ燕に渡します。人を嫌いにならないでくれてありがとう、という夏目に、燕が返したセリフがこれでした。
燕は無事、恩人の人間と会って言葉を交わすことが出来たのでした。
「小さい頃は苦手だったんだ でも優しいひと達に出逢えて優しさを知って…逃げたくないって思ったんだ 俺も優しくなりたいって思ったんだ」
ヒノエに、人が好きなんだね、と言われ返した言葉です。
妖を見ることが出来たレイコは、その体質のせいで人間に疎まれていました。人間の世界になじめなかったレイコは、人間を好きではありませんでした。同じように疎まれていた夏目でしたが、夏目には良い出会いがあったのでした。
「あの子になら祓われてもいいと思った あの子の手柄になるのは喜ばしい 異形とは面倒だね こんな布きれ一枚の礼もろくに出来ない」
山守りをしていた妖の柊は、祈祷師に囚われて家と倉を守るために縛られていました。逃げることも出来ずに諦めていたとき、幼いことの名取に手の傷の治療をうけます。そしてそれから年が経ち、名取は妖怪祓いとしてこの地にまた現れました。
人と妖との間の、立場の違いからの思いの難しさを感じる言葉です。
「大丈夫だよタマ いかなくていい お前はここにいていいんだよ ご飯もちゃんと食べるんだ いつか旅立ちの日が来てもそれは別れの日ではないのだから」
夏目が拾ったたまごから孵ったのは辰未の子でした。タマと名付けて育てたその子は、日に日にとても大きくなっていきました。ですがある程度まで大きくなったタマは、あまり食事をしなくなってしまいます。
大きくなったら夏目のもとを去らなくてはいけないことをタマが嫌がっていることに気付いた夏目は、タマの命を狙う妖に襲われながらもこのセリフを口にしました。家というものの大切さを感じている夏目だからこそ、タマの悲しみが分かったのかもしれません。そしてタマは、聖獣となって旅立っていくのでした。
「−−−そうさ 私は彼女に失望して 意地悪をしてやろうと 小ビンにはぶどうの汁を入れてやったのさ そしたらあの子は泣きそうな顔で笑って「ありがとう」って−−−…私はその時自分自身にも失望してしまったんだ」
人魚の血肉を口にすると、不老不死になると言われています。そのため人魚は、人間のことが嫌いです。
人魚の笹舟はフナに化けて、小さい子供と遊んでいました。ある日その子供と友達になりたくて本当の姿を見せると、人魚の血が欲しいと頼まれました。結局この子供もそれが目的かと失望した笹舟ですが、その行動のせいで、自分自身にも失望してしまったのです。
一方で人魚と遊んでいた子供千津は、人魚の血を病気の恩人に飲ませた事を後悔していました。しかしぶどうの汁で不老不死になるはずもなく、恩人が不老不死になっていなかったことを知った千津。お互いの誤解が解けたことで、千津はまた笹舟のいる池にまた来ると言うのでした。
「そろそろ君にとって大事なものは人なのか妖なのか決めたらどうだ もう妖なんかに構ってもらわなくても君を見てくれる人達が見つかったんだろう」
名取の仕事上で討伐しなくてはならないかもしれない妖は、夏目の友人でした。それを怒る夏目に対して名取はこう言ったのでした。
日常的に妖の見える夏目にとって、人間も妖も同じように身近なものです。しかし一般的には別の存在であり、どちらかを取るならどちらかに不利益こうむる図が発生しやすいです。そんなもどかしい状況に、夏目は立たなくてはならない位置にいるのでした。
「仲直りなんて したことないんだ 誰の背中も追わなかったんだ こんな想いは 知らなかったんだ」
夏目が友人となった妖のカイに、誤解をされたまま別れることになってしまった悲しい終わりのセリフです。
夏目はこれまで人間からは疎まれ、妖怪からは逃げていました。大切な友人を作ってこなかった夏目が、初めて友人との喧嘩別れをしてしまったエピソードでした。
「言っただろう 私はさみしい奴は好きなんだ そういう奴が苦しむのを見るのは好きだ 迎えに来たよ、お前の側にいてやろう。」
まだ今の家に引き取られる前、いつものように人間から疎まれていた夏目を、助けてくれた妖がいました。しかしその妖は、優しい気持ちから助けてくれるタイプの妖ではありませんでした。
この直後に今の藤原の家に引き取られた夏目は、もうさみしくはなくなりました。もしも今の家に来るのがもう少し遅かったならば、さみしさを持っていた夏目はこの妖に惑わされていたのかもしれません。
「仮にも私はこれの用心棒 次にこれに手を出すならお前らの敵は祓い人ではなくこの私 いつでもかかってくるがいい」
祓い人に酷い目にあわされた森の妖たち。その仲間を助けた夏目は仲間のもとにかえそうとしますが、彼らは人間に恨みをもってしまっていたため夏目にも攻撃をしてきます。助けた仲間の話すら聞かない彼らに対して、ニャンコ先生、斑は本来の姿で夏目を抱えるとこう言い放ち去って行きます。
斑と夏目の関係性を感じる、かっこいいセリフです。
「おれのことは信じなくていい でも この手紙だけは持っていてやってくれ」
夏目がまだ今の家に来る前の、人間に疎まれていたときのクラスメイトである柴田。夏目は柴田が恋をしている女性が、妖であることに気が付きます。
妖の村咲は、もう寿命が近づいてきていて力もわずかしか残っていませんでした。そのわずかな力で柴田に手紙を書きます。その手紙を柴田に渡す夏目でしたが、手紙は妖の文字で書かれていて柴田には落書きにしか見えませんでした。夏目がふざけていると怒る柴田ですが、夏目は村崎の思いを届けたくてこのセリフを言います。
柴田に妖の文字は読めませんが、その思いは伝わる事が出来たのでした。
「今の顔見れば嘘付かれてるってのくらいわかるんだ!」
夏目は幼いことに亡くした両親の写真を大事に持っていました。しかし、それを友人たちと山に来ているときに落としてしまいます。友人たちに迷惑をかけたくない夏目はなんでもないとごまかそうとしますが、田沼はそれをみてこのセリフを言います。
今まで友人のいなかった夏目は、他人への頼り方を分かっていません。しかし、夏目には頼れる友人が出来たのでした。
「夏目は強いんだよ 私はそういうのが嫌で 煩わしくて とっくに捨ててしまったから うまく言ってやれないけれど 夏目は捨ててはいけないんだ きついかもしれないけど 夏目にはきっと必要なんだ 必要なんだよ」
夏目を助けるために危険な場所に飛び込んだ田沼。夏目は自分のせいで田沼を危険な目に合わせてしまっていると慌てます。それに対して名取は、このセリフを言います。
妖と一緒にいる生活をしている夏目にとって、大切な人間を作り、それを守るということはとても大変なことです。しかしそれを守ろうとしている夏目のことを、名取は強いと言いました。おそらく大人の名取は、何度も諦め続けてきたのだろうと思うセリフです。
「私は何も知らないのです 人については何も−−−夏目様 人はどれ程生きることが出来ますか?あの人は生きてるでしょうか」
かつて偶然姿を見られてしまった幼い姿をした妖。雨に濡れてはしゃぐ彼女を心配してタオルをあげた人間がいました。妖は嬉しくて、後日話しかけようとしますが、彼には声が届きません。お礼を言えずにいた妖は、夏目にお礼を言ってもらうように頼むのでした。
偶然とはいえ言葉を交わすことができた存在の事を、何も分からないというこのセリフはなんだかもの悲しさを感じます。
「いいんだよ 夏目はいつも気持ちをまっすぐ話してくれる だから その夏目が私には話せないと心のどこかで判断していることを 心が決まる前に話す必要はないんだよ」
夏目の持っている友人帳は、祓い人の中では非情な術として禁忌とされているものでした。欲深い人の多い祓い人に存在を知られたくない夏目は、名取にもその存在を隠していましたが、夏目が何か隠し事をしているということが名取にばれてしまいます。それに対しての名取のセリフです。
夏目のことを心配する名取は、本当は夏目の隠し事を知りたいと思っていました。しかし同時に、夏目のことを尊重もしていました。名取の優しい性格が覗えるとともに、彼の中の葛藤も感じるセリフです。
「妖に惹かれている間は人間の恋人もできないだろう それは不毛だ」
妖を見ることが出来る人間の香は、妖の葵に恋をしました。その気持ちに気付いた葵は香と距離を置くことにして、彼女の前から姿を消してしまいました。人間と妖では生きる時間が違うという葵。自分と香のことを夏目に語る葵は、このセリフを言うのでした。
香は種族の違いなど気にしないという態度ですが、時間の流れの違いは大きいものだと思います。時間が交わることが無いという、切ないセリフです。
「これは私がやってみたくてやっていることなの うまくいっても失敗しても 負けるのは嫌いだけど やるって決めたことは 私がやりとおしてみたいだけなのよ」
妖ヒャッコと決闘しているレイコ。森の平穏を守るためでもあったことから森の妖たちも協力していましたが、中にはこっそり協力をやめるものもいました。それに対してレイコに助っ人を頼んだ妖のゴモチは怒りますが、レイコはやりたくない者はやらなくていいと言い、このセリフを言います。
その後疲れて眠ってしまったレイコの元には、協力してくれた妖たちが集まります。そうしてレイコはヒャッコとの決闘に勝つのでした。
「わたしが・・・・・・・・・・・・ながいかみが さらりとゆれて にこやかで あれば よかったのに」
妖オリガミは折り紙の人形を憑代にしています。仲間が迎えに来るまでオリガミを守っていた夏目の前に、オリガミは本来の姿を見せますが、夏目はそれを驚いてしまいます。
美しい夢を見せる事が出来る力を持つオリガミですが、本人の姿は不気味な姿でした。驚いた事に謝罪した夏目は、近づくことをためらうオリガミに近くに来るように促します。そんなときにオリガミが言ったのがこのセリフでした。
まとめ
夏目友人帳の心温まるエピソードを思い返せるセリフを選んでみましたが、いかがでしたでしょうか?
この作品には、なかなかセリフだけでは分からない空気感が素敵なシーンがたくさん出てきます。読んでいるとほっこりした気分になりますし、オムニバスで気軽に読めるので、毎日一エピソードずつ読んで眠るとゆっくり眠れそうですね。
これを気に皆さんも、再読や購買を考えてみてはいかがでしょうか。