「雨降小僧」とは、「今昔画図続百鬼」という妖怪画集に描かれている子供の妖怪です。
竹傘や中骨の無い和傘を被った子供、あるいは1つ目の子供の姿をしていると言われています。伝承によっては雨を降らせる能力があります。
「雨降小僧」の伝承
中国では雨の神を「雨師」と呼び、雨降小僧はその神に仕える存在であるとされています。
姿は様々伝えられており、中骨の無い和傘を被って提灯を持っていたり、竹傘を被った1つ目の子供という説もあります。雨師に仕える雨降小僧は雨の中を楽しそうに走り回るとされています。
「雨降小僧」の物語
1792年に発行された「御存之化物」という書物には、雨が降る夜に男が一人で歩いていると、雨降小僧と遭遇したという話が記載されています。その雨降小僧は竹傘を被り、1つ目であったとされており、両手に何かを持って歩み寄ってきたそうです。
「東北怪談の旅」という書物では雨降小僧に狐が頼み事をする話が記載されています。「狐の嫁入りをするために雨を降らせて欲しい」という狐のために、雨降小僧は手に持っていた提灯を振って雨を降らし、狐の嫁入りを無事執り行う事ができたという話になっています。
「雨降小僧」の正体
雨の神に仕えたり雨を降らせたりできる雨降小僧は見習いの雨の神か、神使なのではないでしょうか。
雨は降りすぎれば天災になりますし、降らなければ大地が枯れてしまうため加減が難しいところがあると思います。その雨の適度な降らせ方を知るために勉強中なのかも知れません。