妖怪「青鷺火(あおさぎび)」とはその名の通り、青く燃える鷺(さぎ)である。
燃えるといっても作品により様々表現がなされ、火の玉さながら燃えて飛んでいく描写であったり、青く光って見えただけであったりとその解釈は多岐にわたる。
実在、現存する妖怪「青鷺火」
如何とも語られる「青鷺火」ではあるが、怪談のみならず、また日本のみならずその目撃例は後をたたない。
さらには青く燃えるのは鷺にとどまらず様々な種類の野鳥において目撃されている。
これらの現象は科学的見地から説明がつき、発光バクテリアが羽毛に付着した結果であるとされる。
一方、鷺の一種である五位鷺(ごいさぎ)は身体の下面に生える白い羽毛と青みのある皮膚が合わさって青白く光ってみえ、それこそが青鷺火であるとも言われる。
つまりどちらにせよ「青鷺火」は過去に実在し、今もなお確認される妖怪と言える。
「青鷺火」は妖怪か
上記した通り「青鷺火」は実在し、現存し、説明のつく存在である。
これを妖怪ではないとする人も少なくないだろう。しかしそれは怪を語るに充分な存在であった事も事実だ。
古来より人々は多くの妖怪「青鷺火」を語り継いできた。炎を運び海岸の松を燃やすという言い伝えもある。難産により死んでいった女性の化身であるという言い伝えもある。
青く不可思議に光り、飛び去っていく。そして目撃談が後をたたない。怪異と現実の入り混じる「青鷺火」は畏怖されるにふさわしい存在であり、語り継がれるべき妖怪であると言えよう。