週刊ヤングジャンプに2011年9月8日~2014年9月18日の間、連載されました。
単行本は全14巻、143話で構成。
物語は一度完結し、続編となる「東京喰種Re:」へと続きます。
”人間”と、ヒトの姿をしていながらヒトの血肉を糧として生きる”喰種”とのお話。
もしもヒトと同じ姿で自分たちを捕食する存在があったら、あなたならどうしますか?
目次
東京喰種のあらすじ
もし仮に僕を主役にひとつ作品を書くとすれば、それはきっと…”悲劇”だ。
喫茶店「あんていく」に通う主人公、金木研(カネキケン)は喰種の神代利世(カミシロリゼ)に襲われた。
リゼの赫子(カグネ)に腹部を貫かれ、瀕死の重傷を負う。
絶体絶命だったが、直後に落下してきた鉄骨が彼女に直撃したことで九死に一生を得る。
しかし、喰種であるリゼの臓器を体内に移植されたことにより「半喰種」となってしまった。
今まで取れていたはずの人間の食事が食べられなくなり、極度の飢えに苦しむカネキ。
そんな中「あんていく」従業員の霧嶋薫香(キリシマトウカ)に出会い、助けを求めるが…。
”半喰種”となってしまったカネキと「あんていく」のメンバー、そして”喰種”を駆逐しようとする「CCG」。
彼らの懸命に生き抜く姿と成長を描いた物語です。
東京喰種の名言集
金木 研(カネキ ケン)
「僕は人間だッ!!お前ら化け物と違うんだぁッ!!!」
「ヒ…ヒトの肉なんか喰べられるわけないだろ…喰べられるわけないじゃないか…ッ」
”それ”をしてしまったらもう人間には戻れない。
今まで食べられていたはずのものが何も食べられない。
極度の飢えに苦しみながらも人肉を食べることを拒んだシーンです。
人間でも喰種でもない半喰種として苦悩し、生きていく日々が始まりました。
「何も出来ないのはもう嫌なんだ」
「人が死ぬのも”喰種”が死ぬのもそれが僕の知っている人だったら耐えられない僕は…もしトーカちゃんが死んじゃったら…悲しいよ」
ヒナミの母親のリョーコが”喰種捜査官”に目の前で殺され、ただ見ていることしかできなかったカネキ。
ヒトを殺めてしまったトーカを責めずに共に戦うことを決意しました。
ただ、ろくに喧嘩もしたことのないため、稽古をつけて欲しいと頼みます。
トーカのカネキの呼び方がを”眼帯”から”クソカネキ”に昇格したシーンでもあります。
ちなみに物語の終盤でも同じ台詞を言います。
序盤と最後では言葉の重みが段違いですね。
霧嶋 薫香(キリシマ トウカ)
「だったら私は…生まれた時から最悪ってワケ?」
「ケーキって本当はどんな味なの?…誰にも命を狙われない生活はどうだった?喰種捜査官や頭のおかしい”喰種”にも怯える必要のない日々は?教えろよッ!!」
カネキの「毎日が最悪だ」という言葉に怒り狂うトーカ。
喰種として産まれ落ちたトーカにとっては、今までの人生そのものを否定された気分だったでしょう。
生まれながらに命を狙われ、それでも懸命に生きようとする彼女は本当に強いです。
「私だって…アンタらみたいに生きたいよ…!!」
「生きたい…って…思って…何が悪い…こんなでも…せっかく産んでくれたんだ育ててくれたんだ…こんな身体で…どうやって正しく生きりゃいいんだよッ」
今までの苦労や理不尽さ、この世の不条理に対して怒りをぶつけるトーカ。
喰種捜査官の真戸との戦闘シーンでの台詞です。
喰種はヒトを喰べなければ生きていけない、それでも生きたいから足掻く。
人間と喰種の価値観の違い、そして喰種達の底なしの苦痛を感じさせられたシーンでした。
芳村 功善(ヨシムラ クゼン)
「私は好きなんだよ……ヒトがね」
「人の世で生き忍ぶからこそ彼らのことを学ぶ必要がある。性格や行動傾向…何気ない仕草、そしてその意味…、モノの食べ方に至るまで。人間というのは我々”喰種”にとって生きた教本なんだ」
20区の喰種が集う店「あんていく」を切り盛りする店長。
カネキが喰種として生きていくためにヒトの食事の仕方や、美味しいコーヒーの淹れ方を学ぶシーンです。
トーカも店長に生き方を学び、現在に至っています。
カネキのまずいと感じた食べ物に対する表現力がいつ見ても秀逸です。
「”命”とは罪を犯し続けるもののこと。”命”と”は悪そのもの”」
「…奪う行為は等しく悪だ我々は産まれ落ちたその瞬間から何かを奪い続ける食物、かかわりあう人々、肉親からですら生きる限り屠(ほふ)り、殺し、奪い続ける」
「あんていく」に攻め込んできた「CCG」と戦うために「梟」として、店長として戦う決意をしたシーン。
全てはトーカ達「あんていく」の従業員が安全に逃げるために。
命の大事さ、儚さを知っている店長だからこそ、この言葉には重みがあります。
亜門 鋼太朗(アモン コウタロウ)
「この世界は間違っている…!! 歪めているのは貴様らだ!!」
「罪のない人々を平気で殺め…己の欲望のまま喰らう貴様らの手で親を失った子も大勢いる
残された者の気持ち…悲しみ…孤独…空腹…お前たちはそれを想像したことがあるか…」
亜門の言葉を聞いて、人間も喰種も同じ気持ちであることに気付くカネキ。
人間と喰種、両方の立場に立てるカネキが戦うため、亜門と分かり合うためにリゼの赫子を使います。
「俺は大切な上司が大事にしていた人を何があっても守りたい」
「俺にもっと戦う力と冷静さががあれば真戸上等を救えたかもしれなかった真戸さんを殺したのは俺だ、俺の…力不足だたとえ嫌われていようが俺の気持ちは変わらない」
アキラは酔った勢いも手伝って、亜門を責め立てます。
父親が殉職したあの日、何故共に戦わなかったのかと。
とてもシリアスなシーンだったはずなのですが、泥酔していたアキラは亜門のこの言葉の後に眠ってしまいました。
亜門はアキラを介抱すると共に、自分を厳しく律するために一晩中腕立て伏せをしていました。
目を覚ましたアキラは汗だくの亜門を見て「部下の自宅で筋力トレーニングに励む変態捜査官」と称します。
軽口を叩ける程度には信頼関係を築けたようです。
「俺の名はッ!!亜門鋼太朗だ!!!」
「もし仮にお前がここを抜けても皆がお前を殺そうとするだろう…その上で無茶な頼みをしたいどうか死ぬな。聞きたいんだ、お前の物語を」
”梟掃討戦”で対峙したカネキと亜門。
初めて対峙した時のように対話から始まりました。
”喰種”と”CCG”、立場上決して相容れない二人ではありますが、いつか分かり合える日が来ると…。
そう願わざるを得ないシーンでした。
西野 貴未(ニシノ キミ)
「私は…たまたま人間に生まれただけで綺麗に生きることが許されてる」
「…きっと私は親や友達でも殺されない限り、見て見ぬフリし続けると思う彼には”死体”が必要だから」
恋人であるニシキを喰種と知りながら、それでも助けたいと願う貴未。
喰種というだけで命を狙われ、日陰で生きなければならない。
そんな自分の全てを受け入れてくれる存在がいたのなら…。
カネキが人間と喰種が共存できる未来を垣間見たシーンです。
霧嶋 絢都(キリシマ アヤト)
「お前の”羽”じゃどこへも跳べない」
「弱い奴に何が守れる、誰が教える力がなきゃ奪われるばっかだ”喰種”が人間より”上”だってことゴミどもに分からせてやる」
ヒトと共に生きるために人間社会で生きる姉、トーカ。
ヒトを力でねじ伏せるために喰種社会で生きる弟、アヤト。
両者はぶつかり合うが、当然力ではアヤトに敵いませんでした。
実の姉をボコボコにしたアヤトでしたが、これが彼なりの優しさだったのです。
神代 利世(カミシロ リゼ)
「この世のすべての不利益は当人の能力不足、その通りじゃない?」
「そもそも始まりもあなたが世間知らずで馬鹿だから私に騙され、医者に弄られ化け物にされたぜんぶあなたのせい」
正確にはリゼの台詞ではなく、カネキ自身の言葉ですがこちらで。
ヤモリから無慈悲に与えられる凄惨な拷問、目の前での仲間を殺された無力感。
追い詰められたカネキは自身の中に”リゼ”という虚構を作り出します。
数々の拷問でカネキの髪は白くなり、目つきも変わってしまいます。
このシーンは当時読んでいてかなり衝撃を受けました。
万丈 数壱(バンジョ ウカズイチ)
「…誰かを救う前にお前が救われてくれ」
「仲間に何かあったらぜんぶ自分のせい一人でぜんぶ抱えて弱音のひとつも吐かねぇ…ツレェだろ…そんな生き方俺は平気だ、だからもう自分を責めるな」
暴走したカネキに腹部を貫かれるも、初めて赫子を発動させ傷を癒した万丈。
それでも仲間を傷つけてしまったと強い自責の念に駆られるカネキに対して掛けた言葉です。
この言葉により、カネキは正気を取り戻しました。
四方 蓮示(ヨモ レンジ)
「お前の力で歩いていけ、お前なら出来る」
「…直接ではないが、俺はお前を見てきたお前はいつだって自分の力で戦ってきた…リゼでも誰でもなく、他でもない”お前自身の力”で、だ」
極度の飢餓状態で食料しか認識できないリゼを前に絶望するカネキ。
彼女がいないと何もできない、空っぽだと嘆くカネキにヨモが言った台詞です。
寡黙なキャラである四方の言葉と淹れてくれたコーヒーは、カネキに立ち直る力を与えました。
永近 英良(ナガチカ ヒデヨシ)
「知ってた!…ンなこといーからさっさと帰ろーぜっ」
「…オレは…お前を助けたい!…ごめんな、もう一回だけ全力で戦ってくれるか?方法、それしかねえから……」
カネキが喰種になった時から気付いていたと明かすヒデ。
持ち前の行動力と独自の捜査方法で時にはカネキを手助けしていました。
自分が”喰種”になってしまったことをヒデが気付いてしまったら…。
物語序盤からそう不安を感じていたカネキに最後の最後で希望を与えました。
この後の彼の行動が本当に泣けます。
まとめ
いかがでしたか?
東京喰種は非常に作り込まれた作品で、伏線も多く散りばめられています。
改めて読み返してみると新たな発見もあって楽しいです。
物語は一度収束し、第二部へと続きます。
第二部である「東京喰種Re:」も名言や名台詞がたくさんありますので気になる方は合わせて読んでみてくださいね。