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沖縄県の妖怪【アカナー】伝承や物語・正体を考察!

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「アカナー」とは、沖縄県の昔話や童謡に登場する妖怪です。

同じく沖縄に伝わる妖怪・キジムナーの弟であるとされ、猿に似た姿をしており、幼子のように純粋で優しい心を持つ妖怪であると伝わっています。

「アカナー」は「赤い顔」という意味とされていますが、暖かい海に生息する赤い毒魚・バラフエダイも「アカナー(赤い魚)」と呼ばれています。

「アカナー」の伝承

沖縄県ではアカナーの伝承がいくつもあります。

悪戯好きなキジムナーと違って、優しく気立ての良い妖怪として伝わっています。キジムナーと同じく魚を獲るのが得意で、特にカニを好むとされています。

また、月に住んでいる妖怪であるという伝承もあります。その内容は、この世に最初に誕生した人間の祖先の幼子に、アカナーは月から餅を投げて養ってくれた、という伝承です。

「アカナー」の物語

優しい妖怪であるアカナーは元々地球に住んでいたのですが、ある事件によって月に住む事になったとされています。その話にはいくつかの伝承がありますが、そのうちの1つをご紹介いたします。

昔、アカナーはサルと一緒にお屋敷で暮らしていました。お屋敷の庭には桃の木が生えており、枝がしなる程の大量の実をつけました。

アカナーは心優しい性格なのですが、同居人のサルはとても欲深くて意地悪な性格をしており、アカナーを殺して庭の桃を独占しようと考えていました。

ある日、桃の木の下でサルはアカナーに桃の実を売る事を提案しました。アカナーがそれに賛成すると、サルは「ただ桃を売るだけではつまらないので桃売り競争をしよう。負けた方は殺される、なんてどうだ?」と続けました。

アカナーはその提案を怖がりましたが、サルに丸め込まれてしまい、桃売り競争をする事になってしまいました。悪知恵の働くサルは、自分の篭には熟した桃を、アカナーの篭にはまだ青くて熟していない桃を入れました。そして那覇の町に売りに行きました。

サルの篭の熟した桃はすぐに売れましたが、アカナーの篭の熟していない桃は一向に売れません。桃を売り切ったサルは屋敷に戻るとアカナーを殺す準備に入りました。

一方アカナーは日が暮れても桃が売れる事がなかったため、このままだとサルに殺されてしまう事に恐怖し、泣いていました。そして天に昇ってきた十五夜の月に祈りました。
「どうか私を助けてください。」

その様子を見た月は、アカナーを不憫に思い、天から篭を下ろし、アカナーを乗せて天上に引き上げました。アカナーは月にとても感謝し、月の世界で水を汲んだり塩を作ったりしてその恩に報いているのだと伝えられています。

ちなみに沖縄では月の影の事を「アカナーが水を汲んでいる姿」と言うそうです。

「アカナー」の正体

とても単純な正体考察になってしまうのですが、私はアカナーは「漁が得意な日焼けした子供」だと思います。

アカナーの名前は日焼けして赤くなった顔を表し、子供故に純粋で世間知らずだったのではないでしょうか。

また、サルは沖縄に生息していないため、悪知恵の働く使用人、月は身分の高い人を指していると思います。身分の高い人物が命を助けてくれたので、その人物に幼いながらも心から尽くしている話ではないかと思います。

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