戦国時代を舞台とした和風ファンタジー漫画として、絶大な人気を誇る「犬夜叉」。
かつてゴールデンタイムにアニメ化され、のちに「完結編」も放送された人気作品です。
高橋留美子さんの代表作で、今でも根強いファンが多い名作。
個性的なキャラクターたちによる名言や名シーンが多いのも魅力の一つですね。
今回は、「犬夜叉」に登場する名言や名シーンについて解説し、作品の魅力をお伝えしていきます!
犬夜叉とは
「犬夜叉」は高橋留美子さんが「らんま1/2」の次に1996年から連載スタートした、和風ファンタジーバトル漫画です。
数々の名作を生み出してきた高橋留美子作品の中でも、単行本が50巻を超える長編漫画として有名です。
高校受験に追われる日々を送る中学生・日暮かごめはある日、実家の古井戸を通して戦国時代にタイムスリップ。
そこで半妖の少年・犬夜叉と出会ったかごめが、さまざまな仲間と出会いながら妖怪たちと戦っていきます。
犬夜叉が生きる戦国時代とかごめが生きる現代日本の両方が登場しますが、主な舞台は戦国時代です。
ストーリーの重要な鍵を握るのは、妖怪を強化する伝説の宝玉「四魂の玉」。
世界中に散ってバラバラになったこの玉を巡り、犬夜叉と妖怪との間にさまざまな戦いが起こります。
また犬夜叉とかごめを中心に、キャラクター同士の恋愛が描かれているのも見どころの一つです。
犬夜叉の名言集
「犬夜叉」に登場する名言・名シーンを解説します。
犬夜叉の名言
「誰が飲むかよ。こんな目覚めの悪いもん…てめえなんぞと一緒にすんな!」
朔の日に人間化してピンチに陥った犬夜叉が、敵の桃果人に言い放った名言。
桃果人が人間を殺して作った秘薬を傷ついた犬夜叉に勧めますが、彼はこう言い切って飲むのを拒否するのです。
これを聞いたかごめは「犬夜叉、あんた心は人間だわ」と感動しています。半妖ながら人間らしい心を持っている犬夜叉の葛藤や、強い意志が伝わってくる名シーンですね。
「俺は怖かった。かごめが死ぬかもしれないと思ったら怖かった。」
殺生丸との戦いで負傷した犬夜叉が、骨食いの井戸の前に呼び出したかごめを抱き締めながら言った名セリフ。
何度もピンチになった犬夜叉が、自分よりもかごめの危険を恐れたという気持ちを素直に告げています。
犬夜叉にとって、かごめが大切な存在になりつつあることがよくわかるセリフです。
ちなみに初めて男の子に抱き締められたかごめは、現代に帰ったあと犬夜叉への複雑な思いに悩むことになります。
「どんなになったって、おれはおれだ。かごめのこと忘れるわけねーだろっ。」
鉄砕牙が折られたことで妖怪としての血が呼び覚まされ、我を忘れて暴走した犬夜叉。
犬夜叉に忘れられるのを心配したかごめに対し、犬夜叉が言ったセリフです。
妖怪と人間の間で揺れる犬夜叉は、自我を失ってかごめや仲間を傷つけることを何よりも恐れています。
かごめだけでなく、犬夜叉自身に言い聞かせるための言葉だったのかもしれません。
「お前は俺に会うために生まれてきたんだ」
四魂の玉を巡る戦いが続く中、自分の存在意義に疑問を持ったかごめに犬夜叉が言った名セリフ。
かごめは決して戦いのためではなく、自分に会うために生まれてきたのだと犬夜叉が励ましています。
同時に犬夜叉は、かごめに出会ったことでさまざまな影響を受け変わっていったことを伝えています。
二人が出会ったことが、いかに運命的であったかを物語る名シーンですね。
かごめの名言
「もう一度――犬夜叉に会いたい。」
犬夜叉のもとを離れて現代に戻ったかごめが、犬夜叉への強い未練と思いに気づいたシーン。
無意識に頭に浮かんだ「会いたい」という気持ちで、かごめは犬夜叉への恋心にようやく気づくのです。
何度も葛藤し辛い思いをしてきたかごめですが、それでも犬夜叉への思いが捨てきれない。そんなかごめの恋心がとても切なくてグッときます。
「あたしが犬夜叉を恨んだり桔梗に嫉妬したりすることは、人間だったら誰だって持ってる気持ちよ。」
犬夜叉の思い人である桔梗に嫉妬していることに気づいたかごめ。
それを奈落の分身である赤子に指摘されたかごめが、素直で正直な気持ちを言い放った時の名言です。
嫉妬や妬みは人間なら誰だってあるし、それは呪いなんかじゃなく当たり前の気持ち。
そして何よりも、犬夜叉が大好きだからこそ生まれた気持ち。誰かを好きになった時に生まれる嫉妬は、決して醜い感情ではないことを伝える名言です。
「私の矢は悪いやつにしか当たらないのよ!」
攻撃を跳ね返せる鏡を使う神無と奈落に向かって矢を放ちながら、かごめが言った名セリフ。
一見失敗に終わったこの攻撃は、神無の鏡を破るきっかけになります。
弓矢の名手でもある桔梗の生まれ変わり・かごめは弓矢で戦います。
しかし弓矢の腕までは受け継いでおらず、当初は標的に当てるのすら困難でした。
そんなかごめは戦いを重ねるうちに、妖怪を破る力を持つ「破魔矢」として矢を放てるようになったのです。
かごめの成長や勇気がよくわかる名セリフです。
珊瑚の名言
「少しずつ思い出せばいいさ。これからずっと一緒にいられるんだから。」
四魂のかけらで蘇り奈落のもとにいた琥珀は、珊瑚と再会を果たします。
記憶を失い不安になっていた琥珀に対し、珊瑚はこう言って励まします。
たとえ記憶を失っていても、珊瑚にとって琥珀はかけがえのない弟であり唯一の肉親。
そんな珊瑚の気持ちがよく伝わってくるシーンです。
弥勒の名言
「私の子供を産んでくれないか」「私の子を産んでくだされ」
弥勒といえばこれ!というほどに有名で、行く先々で美女を口説く時に使っています。
一見控えめで真面目な弥勒が、実はとても女たらしであることが分かりますね。
いっしょに旅をしている珊瑚には一度も言ったことがなかったので、彼女の不満を煽ったこともありました。
しかし終盤では、珊瑚に告白(ギャグではなく真面目な)するシーンでもこのセリフを言っています。
七宝の名言
「おらがしっかりせねば」
「犬夜叉」のマスコットキャラクターでもある狐妖怪の少年・七宝。
ふだんは強敵に怯えることも多い七宝ですが、状況によっては責任感の強さと勇敢な一面も見せてくれます。
仲間がピンチになるとよく出てくるこのセリフは、七宝の口癖でもあります。
七宝がただ可愛いだけのキャラクターではないことがよく分かりますね。
桔梗の名言
「きさまは私を殺せない。きさまが人間の心を残す限り…半妖である限り」
奈落のもとへ自ら訪れた桔梗が放った挑戦的なセリフ。
半妖である奈落には桔梗へのあさましい未練が残り、皮肉にもそれが桔梗を殺すのを邪魔しています。
こう言われた奈落は四魂の玉を完成させて完全な妖怪になり、最初に桔梗を喰らうと決意。
しかし、それでも桔梗への未練はその後も奈落の中に残り続けるのです。
「やっと…ただの女になれた」
二度目の本当の死を迎えることになった桔梗が、犬夜叉に抱かれながら呟いたシーン。
生前から巫女としての使命や葛藤に追われていた桔梗が、やっと数々の苦しみから解かれた思いがこの一言に込められています。
めったに涙を見せない犬夜叉が、桔梗を救えなかったと悲しみながら号泣するレアなシーンでもあります。
桔梗の死を悲しんだのは犬夜叉だけではありません。
かごめや弥勒も桔梗を救えなかったことを悔やみ、とても感動的なシーンになっています。
神楽の名言
「あたしは風だ。自由な風だ」
生まれた時から奈落に縛られ、自由に過ごせなかった神楽。
そんな彼女が、ようやく自由を勝ち取ったと悟った瞬間に放った名言です。
しかしこれは神楽が死んでいくところでもあるので、切なくて寂しい雰囲気も溢れています。
一人で死ぬつもりだった神楽の前には、殺生丸が現れます。
神楽は「最後に殺生丸に会えた」と嬉しく思い、彼に看取られながら風と共に消えていきます。
神楽が運命に抗いながらも、一生懸命生き抜いてきたことがわかる感動的なシーンです。
殺生丸の名言
「りんの命と引き換えに得るものなど何も無い」
天生牙を強化するために母親のもとを訪れた殺生丸。
母親は冥道犬を召喚し、りんと琥珀が連れ去られてしまいます。
殺生丸は二人を追うものの、りんの救出には失敗。
息をしていないりんを抱いたまま言った、悲しみと後悔が込められた名台詞です。
りんに対してクールでツンデレだった殺生丸が、天生牙と引き換えにりんを死なせたことを本気で後悔。
いつも冷静な殺生丸が焦り、揺さぶられるとても貴重なシーンでもあります。
何よりも、殺生丸がりんを大切に思っているのがよくわかるのがいいですね。
まとめ
他にも名言がたくさんある「犬夜叉」は魅力がいっぱい!
今回はごく一部の紹介となりましたが、長編である「犬夜叉」には、ほかにもたくさんの名言や名シーンがあります。
「犬夜叉」はバトルアクションや和風ファンタジー要素だけでなく、恋愛や冒険要素などバラエティに富んだ作品。また、シリアスからギャグまで魅力的な台詞で溢れています。
名言を見て読み返したくなった人、気になっていたけど読んだことがない人は、ぜひ手に取ってみてください。