「餓鬼」とは、日本の妖怪と言うよりは仏教の中で語られる悪鬼の一種です。
生前の行いにより餓鬼道に落ちた魂が餓鬼になるとも伝えられており、常に飢餓に苦しんでいるとされています。
「餓鬼」の伝承
餓鬼は常に渇きと飢えに苦しみ続けている悪鬼です。その理由は手にした食べ物や飲み物は全て灰になるか蒸発してしまい、一切口にする事ができないためと伝えられています。
そんな餓鬼ですが「無威徳鬼」と「有威徳鬼」があり、有威徳鬼は餓鬼でありながらある程度の幸福を得られるそうです。
「餓鬼」の物語
餓鬼は地獄に大量に蔓延っている存在でもあり、その種類も多く、餓鬼になるに至った罪も様々です。
一般的に有名な餓鬼は「無財餓鬼」と呼ばれており、飲食ができず常に飢餓に苦しみ、施餓鬼供養された物しか口にする事はできないとされています。
「少財餓鬼」は血液や膿等の不浄な物、「多財餓鬼」は人が食べ残した物や施された物を食べる事が赦されていますが心が満たされる事は無いそうです。
また、「悪鬼羅刹の如く」と言う言葉の中にある「羅刹」も細分化された餓鬼の一つです。
生き物を殺して大宴会をしたり、僅かな食料を高額で売るといった罪を犯した者がなると伝えられおり、四つ辻で狂気に陥れた人間を襲って喰らう他、インドでは「ラクシャーサ」と呼ばれ恐れられています。
「餓鬼」の正体
餓鬼の正体は言ってしまえば罪を犯した人の魂です。その魂が餓鬼道に落ちてしまった事で餓鬼になってしまいます。
罪の種類はかなり多いので割愛しましたが、人によっては無意識にやってしまってるかも知れない物も罪に含まれているため「誰でも成りうる鬼」と言えます。