「鐙口」とは、「百器徒然袋」という妖怪画集に描かれている妖怪で、馬具の1つである「鐙(あぶみ)」の妖怪です。
画集には鐙に目と口が生えた姿で描かれています。
「鐙口」の伝承
馬具の1つである鐙の付喪神とも言われており、戦によって戦死した武将の持ち物で、長い間野晒しにされていた鐙が妖怪化した存在とされています。
「鐙口」の物語
実際はどうか分かりませんが、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者でも知られる水木しげるさんは、鐙口について「帰る事のない持ち主の帰宅をいつまでも忠犬のように待ち続けている」と解釈しています。
「鐙口」の正体
戦によって持ち主を喪った鐙が妖怪化して鐙口になったと考えられています。しかし、付喪神であるという説からも、持ち主にとても大切にされていたと思われます。亡くなった持ち主を妖怪化してまで待ち続ける忠誠心が報われ、悲しみが埋まる日の到来はまだまだ遠いのかも知れません。