「北斗の拳は」原作:武論尊、作画:原哲夫により描かれた1980年代の「週刊少年ジャンプ」を代表するバトル漫画です。
個性的なキャラクター、ついつい真似したくなるユニークなセリフは人気に火をつけ、アニメやゲームソフトなど、数多くのメディアにおいて大成功を納めました。
不屈の名作バトル漫画「北斗の拳」の魅力をキャラクター達の名言と供に振り返っていきます。
目次
北斗の拳とは
「北斗の拳」は一子相伝の暗殺拳・北斗神拳の伝承者である主人公・ケンシロウの闘いをベースにした物語です。
舞台は西暦199X年、核戦争によって地球が核の炎に包まれ荒廃した世界。
強者が暴力を振るう中、ケンシロウは行く街々で北斗神拳を駆使し、弱者を救出していきます。
人々を救う中でケンシロウの婚約者・ユリアを奪った南斗聖拳の使い手・シンをはじめ、供に北斗神拳を学んだラオウなどの義兄弟達との闘いへと発展していきます。
無常ともいえる兄弟やかつての友との闘いの中で、悲しみを糧に強さを増していくケンシロウ。
そんなケンシロウを、北斗の宿命は常に新たな戦いへと誘っていくのでした。
「北斗の拳」は、後に数々のスピンオフが描かれる壮大な北斗の物語における原点かつバイブルといえる作品です。
北斗の拳の名言集
ケンシロウの名言
「おああ!!あたたたたーーっ!!」
ケンシロウが拳を放つ時の定番名言です。
拳がいかに速く繰り出されているかを読者にイメージさせるには効果的な演出です。
このセリフを真似した読者は数多くいることでしょう。
「お前はもう死んでいる………」
北斗神拳で初めて敵を倒した時の記念すべき名セリフです。
そのインパクトは非常に強く、ケンシロウといえばコレ!という読者も多いはずです。
「てめえらに今日を生きる資格はねぇ!!」
シンの部下・スペードにケンシロウが放った名セリフです。
ケンシロウといえば、怒ると上半身の衣服がはじけ飛ぶのが有名ですが、
そのシーンが初めて出されたのが、このセリフの後でした。
セリフとともに名シーンにも数えられています。
「同じ女を愛した男だから」
シンを墓標に送る際のケンシロウの名言です。
恋人・ユリアを奪われ、敵として闘ったシンを強敵(友)として認めていたことが伺えるシーンです。
これ以降、強敵(友)との闘いがケンシロウを強くさせる要因へとなっていきます。
「おまえのようなババァがいるか!!」
老婆に化けたラオウの部下にケンシロウが言った名言です。
常にクールなケンシロウが真顔で言うこの場面は思わず笑いが出てきます。
「忘れはせぬ、おまえもまたよき強敵(とも)シンと同じくおれの中に生き続ける」
ラオウの秘孔「新血愁」によって、命を落としたレイにケンシロウが言った名言です。
一度は拳を交え、行動を供にしたレイは、ケンシロウにとって強敵 (友)でした。
ケンシロウとレイの間の友情が垣間見える名シーンです。
「おれの墓標に名はいらぬ!! 死すなら戦いの荒野で!!」
物語終盤で、一人旅路に出るケンシロウが言った名言です。
北斗の宿命に導かれるまま、名声の為でなく闘いのみを求めるケンシロウの心情が伺える名場面です。
ラオウの名言
「わが生涯に一片の悔いなし!!」
ラオウが死の間際に言った名言中の名言です。
気高い誇りと強さを持ったラオウらしいセリフです。
片手を挙げ言い放つこの場面は、北斗の拳の中でも屈指の名シーンです。
「ならば神とも戦うまで!!」
北斗神拳の師匠で義父・リュウケンにラオウが言った名言です。
北斗神拳を自分の為使うと豪語するラオウに、リュウケンは「神が許さない」とその思想を批判します。
それに対し、この名言をラオウは言い放ちます。
インパクトのあるラオウのらしい名言です。
「き…きかぬ、きかぬのだ!!」
トキと対峙した時のラオウの名言です。
柔の拳を得意とするトキが、ラオウに憧れ、剛の拳でラオウに放ちます。
結果ラオウには全く効いておらず、ラオウは幼き日を思い出し、思わず涙を流してしまいます。
これまで傍若無人なラオウでしたが、ラオウの人間らしい部分が垣間見えた印象深い名シーンです。
「フ…フフ、見事だ弟よ!!」
ケンシロウに敗れた際のラオウの名言です。
長きに渡って闘いケンシロウの敵だったラオウが宿敵 (友)となった名シーンです。
ラオウがケンシロウを兄らしい優しい表情で見つめるのが印象的です。
トキの名言
「ケンシロウ おれはこの先 人の命を助ける人間として生きる…」
「ケンシロウ おれはこの先 人の命を助ける人間として生きる…いずれは死ぬ体……それまでなん人の命を助けることができるのか それが おれの生きていたという証だ!!」
ケンシロウとユリアをかばい、核の死の灰を浴びた直後にトキが言った名言です。
後に病気の人々を救い続けるトキの優しさが表された名シーンです。
「激流を制するは静水」
闘いの際にトキが言った名言です。
柔の拳を得意とする、トキの闘うスタイルをもっともあらわしたセリフです。
「忘れたかラオウわたしがあなたの全てをめざしていたことを!!」
対峙したラオウにトキが言った名言です。
柔の拳を得意とするトキがラオウのような剛の拳を繰り出す名シーンです。
生き方、戦い方が相反するラオウとトキ。
しかし、トキはラオウを兄として目標に鍛錬していたことが分かる、兄弟愛があらわれた北斗の拳の名バウトのひとつです。
ジャギの名言
「兄よりすぐれた弟なぞ存在しねえ!!」
兄をかばう弟にジャギが言う怒りをあらわに言う名言です。
天賦の才を持つ弟・ケンシロウに嫉妬し続けるジャギの性格がよく表れたセリフです。
ケンシロウほどの優れた才能のある弟がいれば、兄としては焦りしかないのかもしれない。
ジャギの「兄は弟より優れていなければならない」という歪んだ人格形成には多少哀れみも感じさせます。
「俺の名を いってみろぉおおお!!!」
ケンシロウと戦いで断末魔を迎えたジャギの名言です。
常にケンシロウを意識し、自らを北斗神拳伝承者・ケンシロウと名乗るジャギ。
弟の才能に嫉妬した兄の悲しい心のあらわれがこのセリフには溢れています。
リンの名言
「ねっ! 信じるのよいつか必ず明るい明日がくるって…」
「ねっ! 信じるのよいつか必ず明るい明日がくるって…そう信じて生きてきたじゃないの最後の最後まであきらめちゃだめ!!」
レイの妹アイリにリンが言った名言です。
ラオウの部下に追い詰められ、絶望するアイリを励ますリンに心の強さを感じさせます。
何かに落ち込んだ時に聞くと、何とも励まされる力強いセリフです。
バットの名言
「みろ!ラオウの闘気が逃げている!」
ケンシロウとラオウの最後の闘いを見てバットが言った名言です。
拳法使いではないバットにも見えるほど、ケンシロウとラオウが強大だと読者に
印象付ける、隠れた名言です。
ユリアの名言
「峻烈な男たちの戦いのためにわたしがしてあげられるのは」
「峻烈な男たちの戦いのためにわたしがしてあげられるのは心置きなく送り出すことだけわたしに見つめられていては突きにくいでしょうわたしも天に帰りましょう」
ケンシロウとの最終決戦を目前としたラオウが愛を知る為にユリアの命を奪おうとした時の名言です。
敵として相対するラオウに対しも、優しさで包み込みユリアらしい名言です。
「ね…生きてるでしょ暖かいでしょう これが命よ!!あなたもわたしもこうやって生まれてきたの…」
鬼として暴れていた頃の不フドウに対し、ユリアが言った名言です。
ユリアはフドウから命がけで子犬を守り、その子犬をフドウに触らせることで命の大切さを教えようとしました。
これによりフドウは鬼としての生き方を捨てるのです。
ユリアの愛深さが伝わる心温まるシーンです。
シンの名言
「なぁに~~きこえんな~~~」
シンがユリアに言い放つ名言です。
ケンシロウのトレードマークともいえる胸の七つの傷をつけた張本人がシンです。
ユリアの口から「ケンシロウを愛していない」と言わせるために、シンはケンシロウの胸にひとつずつ傷をつけていきます。
物語最初の強敵であるシンを極悪人として演出する破壊力ある名言です。
「おれが欲しかったものはたった一つ、ユリアだ!!」
シンが死ぬ間際に言った名言です。
数々の宝石やドレスでユリアの気を引こうとするシンにユリアの心は動くことはありませんでした。
シンの悲痛な叫びともいえるこの場面は、これまで残虐だったシンのイメージを変える名場面です。
レイの名言
「てめえらの血は なに色だーーっ!!」
人々を虐殺するラオウの部下にレイが言った名言です。
自身の身よりもレイの妹を心配する傷ついたリンを見て、怒りが沸点に達したレイ。
怒り具合もさることながら、レイの人間味あふれる言い回しが印象的です。
ユダの名言
「レイ…俺がただひとりこの世で認めた男…せめてその胸の中で…」
ユダはレイの華麗な技にずっと憧れを抱いていました。
ずっと敵対していたユダが素直にこのことをレイに告白するこのシーンは恋愛ドラマにも似た淡さを感じさせます。
シュウの名言
「ゆけ!ケンシロウ、そして時代をひらけ!!私はいつもおまえを見ているぞ」
シュウの死の間際でケンシロウにいった名言です。
シュウはかつて幼いケンシロウとの組手で、ケンシロウの命を助けるために視力を自らたち、以降、盲目の拳士として戦っていました。
そんなシュウが死の間際、奇跡的に視力が回復し成長したケンシロウを見て、この名言を言います。
逞しく成長したケンシロウの姿を見たシュウは、自らの行いが正しかったこと確信し、ケンシロウに未来を託し命を全うするのでした。
サウザーの名言
「ひ…退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!帝王に逃走はないのだ!!」
ケンシロウとの戦いでサウザーが言った名言です。
南斗聖拳の将星を司り、自らを聖帝と名乗るプライドの高いサウザーの性格がよく表れています。
「愛などいらぬ!!」
南斗鳳凰拳の伝承者となる為、師匠となるオウガイの命を奪ってしまったサウザーが悲しみの中で叫ぶ名シーンです。
孤児だったサウザーはオウガイに拾われ、愛情をもって育てられます。
愛が深いゆえに、失う悲しみの大きさに心が壊れてくサウザーの悲痛な叫びが印象的です。
ジュウザの名言
「雲ゆえの気まぐれよ」
南斗の将であるユリアを守る南斗五車星の一星「雲」の拳士・ジュウザの名言です。
常に本能で動く自由きままなジュウザの性格をよく表しています。
フドウの名言
「お前に見えるか!この哀しき瞳に宿る力が!!」
ラオウを闘った際のフドウのセリフです。
ラオウの圧倒的な力の前に傷つき倒れるフドウ。
そんなフドウを守るよう、フドウが引き取り育てている孤児が集まります。
あまりに哀しくて強い眼差しを持つ子供達に怯むラオウにフドウはこのセリフを言い放ちます。
愛と哀しみを知らないラオウの弱さをついた、フドウの言葉がラオウにささる名シーンです。
ファルコの名言
「この夕日が沈むころ・・・元斗皇拳はオレとともに潰る・・・・・無念だ・・・・・」
元斗皇拳伝承者・ファルコの死ぬ間際の名言です。
命が尽きる瞬間まで、元斗皇拳のことを思うファルコ。
二千年の元斗皇拳の歴史を背負ってきたファルコの誇りと悲しさが伝わる涙を誘う名シーンです。
ハートの名言
「ひでぶっ!!」
ハートの死に際の名言です。
このセリフが読者に受けたことにより、これまで無言で死んでいった敵キャラが面白い断末魔で散っていくというスタイルが確立されるようになりました。
まとめ
キャラクターの名言を通じて「北斗の拳」の魅力をまとめてみました。
インパクトのある名言は勿論のこと、秘孔などの独特の技は思わず真似したくなるものばかりです。
初めて読む方は勿論のこと、当時呼んでいた方も読み返せば、ハマってしまうこと間違いなしです。