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YAWARA!(ヤワラ!)の名言・名セリフ集|猪熊・ジョディ・日陰など【25選】

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「MONSTER」や「20世紀少年」でおなじみの浦沢直樹原作による柔道漫画「YAWARA!」。

1986年から1993年の間にビッグコミックスピリッツで連載された。

単行本発行部数累計3000万部で本作が浦沢直樹の初ヒット作と言われている。

柔道漫画としてだけではなく、平凡な幸せを望む少女の葛藤や、国民的アイドルを好きになってしまった三流記者の恋愛模様など、様々な要素を含んでいる作品である。

目次

YAWARA!のあらすじ

猪熊柔は幼少のころから祖父・猪熊滋悟郎より柔道の英才教育を受けてきた。

またわずか5歳で父親の虎滋郎を投げ飛ばすほどの才能も持っていたが、それが原因で父親が家を出て行き、母親は父親を捜すために家を空けるようになった。

柔道のせいで家族がバラバラになってしまったというトラウマを抱えていた柔は、普通の女の子でいたいという想いを強くする。

ある日ひったくり犯を巴投げで投げ飛ばしたシーンを偶然、日刊エブリ―スポーツの松田耕作に目撃され新聞に載ってしまう。

また本阿弥さやかを乗せた車が猪熊柔・滋悟郎と交通事故を起こす。

とっさに受け身を取ったため2人にけがはなかったが、そのまま本阿弥邸へ案内される。

本阿弥さやかは数々のスポーツでトップの座を手にしていたが、すべてが思い通りになり人生に退屈していた。

しかし、滋悟郎が柔道をやっていないのにそのセリフは井の中の蛙だと笑い飛ばす。

滋悟郎の挑発により、さやかは柔道に興味を持ち始め、前年度女子柔道選手権優勝者を倒し見事に柔道界デビューを果たす。

そこで柔に宣戦布告をしたことにより、マスコミが柔に注目し探し出そうとする。

非凡な才能を持ちながらも、様々な事情により普通でいる事を願う少女が、たくさんの人と出会い成長していく物語。

YAWARA!の名言・名セリフ集

猪熊柔の名言

「普通の女の子になりたいの、あたし!!」

柔は柔道が天才的に強いが、その非凡さ故、普通である事に憧れていて口癖のようにこのセリフを言っていた。

 

「一生懸命やるのって、いいね」

柔の通う武蔵山高校の柔道部は、主将の花園が骨折し予選で勝つ見込みが無い状態だった。

そこで部員たちは柔に臨時の柔道部のコーチをお願いした。

厳しい練習に耐えて武蔵山高校は何とか一勝することができた。彼らの勝利に感動した時の柔のセリフ。

 

「ジョディ…この人…強いわ」

今まで柔道の稽古ばかりで、まともに対戦経験を積んだことのない柔。

道場を訪ねてきたジョディと対戦し、初めて強いと思える相手に出会った。

本気で戦える相手と出会い、柔道の楽しさに目覚めていく。

 

「松田さんのお仕事が、あんなに人の気持ちを元気づけてるなんて思いませんでした!!」

柔の直属の上司が日刊エブリースポーツの松田のファンだった。

今まで自分を追い回していた松田が世間の人からどう見られていたのかを認識し、柔の松田への印象は確実に変わっていった。

 

猪熊滋悟郎

「お嬢さん!あんたァもっと強くなる!柔の宿命のライバルと見込んだわしの目に狂いはない!!」

さやかがソウルオリンピック48kg以下級決勝戦でキムに判定負けした。

陰で悔し泣きしていたさやかに滋悟郎が自分のサイン入り本を手渡し、さやかを激励した。

 

「この勝負、一本とって……勝てィ!!」

女子柔道部対滋悟郎の賭け試合は2対2となり、大将の富士子の試合で勝敗が決まることになった。滋悟郎は勝つために敵である富士子を動揺させるため、わざと試合を盛り上げるなどして戦いにくい状況を作った。

しかしプレッシャーにも負けず、優勢になっても、残り時間が少なくなっても一本を取りにいく、滋悟郎が教えた通りの柔道を守っていた富士子の姿を見て、ついには滋悟郎も富士子を応援した。

孫の柔の進路も大切だが、富士子も滋悟郎にとっては大事な弟子になっているのだろうと感じさせる名言だった。

 

猪熊虎滋郎の名言

 

「カタツムリのうまい店があるんだ。家族みんなで食べに行こう。」

柔が5歳の時に家を出てずっと行方不明だった虎滋郎と柔が再会した感動の名シーン。

フランスでの自分の連絡先を柔に渡し、虎滋郎の家出騒動は一段落した。

 

松田耕作の名言

「そのただのパンチラ娘が…一億二千万国民のアイドルになる日がね!!」

さやかがテレビで柔に宣戦布告してから、マスコミは柔を探し始めた。

松田はひったくり犯を投げ飛ばした少女とさやかがライバル視する少女が同一人物だと確信するが、証拠がないため編集長に信じてもらえずにいた。

編集長にパンチラ娘ばかり追いかけていないで、本阿弥さやかのライバルを探して来いと言われた時の松田のセリフ。

 

「右手を出せ!!」

柔道界は柔が西海大学へ入学し柔道部に入ることを望んでいた。

そして松田もそう願う一人だった。しかし柔が大人しく西海大学へ入学する訳がないと睨んだ松田は柔の第一志望校・三葉女子短大の試験当日に張り込み、受験している柔を発見する。

しかし試験会場で会った柔は前日の試合で右手を捻挫してしまい、痛くて鉛筆が持てない上に集中もできないから試験には落ちてしまうと弱気になっていた。

松田は自分のバンダナで柔の右手と鉛筆を固定し、柔の受験を応援した。

 

「たのむ、勝ってくれ!! みんなで柔さんを鶴亀トラベルに行かせてやってくれ!!」

柔は短大卒業後に旅行会社へ就職を希望していたが、滋悟郎は反対していた。そこで女子柔道部が卒業試合で勝つことができれば、柔の就職を認めることになった。

そうとも知らず松田は最高の卒業試合になるようにと対戦相手に日本へ合宿に来ていたフランスの強豪チームを選んだ。

また試合は勝ち抜き戦ではなく点取り試合になるため、個々が3敗すれば大将の柔が戦うことなく、そこで勝敗が決まってしまうという不利な条件になっていた。

試合相手を手配した松田は滋悟郎とグルになって柔を西海大学へ編入させるために仕組んだと責められてしまう。

柔に柔道を続ける道を選んで欲しいと思っているが、結局は好きな女の子の願いを叶えたいという松田の想いが伝わってくる名言。

 

「会社の宣伝につかいまわして柔さんをつぶしてみろ、ただじゃおかねえからな!!」

柔の鶴亀トラベルの就職が決まった。

松田は彼女が会社に利用されることを案じて、鶴亀トラベル社長に啖呵を切ったシーン。

彼のこういった誠意ある行動が少しずつ柔の彼に対する心象を変えていった。

 

「俺…君が好きだ。ずっと好きだった!!」

アメリカへ発つ松田を柔が見送った。

なんの進展もないまま旅立とうとしたが、松田が戻ってきて柔に告白する感動の名シーン。

 

花園(伊東)富士子の名言

「そうよ、あたしとあなたは違うわ! あなたは選ばれた人なの!」

柔と富士子は3歳の頃からそれぞれの分野で厳しい練習を積んできた点では共通していた。

しかし富士子は実力があったが、身長が伸びすぎたためプリマドンナにはなれなかった。

選ばれなかった富士子の言葉は柔の心に響き、全日本選手権へ出場するきっかけとなった。

 

「三葉女子短大に柔道部つくって…あたしも柔道やります!!」

柔は自分の父・虎滋郎が失踪したのはやはり自分が原因だったということを知り、柔道をやめる決意をする。

それを止めたい富士子は花園に相談し、柔を柔道に引き留めるヒントを得る。

そして自分も柔道部を設立することにする。これが柔や富士子の大きな転機となる。

 

花園薫の名言

「俺は強くなる!! 強くなるまで富士子さんには会わん!!」

富士子は花園から全く連絡がない事に不安を感じていた。

柔は花園に会って話を聞くことにする。富士子は大学から柔道を始めたもののすぐに芽を出し、オリンピックを目指せるところまで成長した。

しかし花園は弱小大学でレギュラーも取れない状態だった。そこで花園は柔道に専念する決心をした。

 

本阿弥さやかの名言

「大将ではありません!!女王とお呼びなさい!!」

三葉女子短大が公式試合に参加するという情報を聞きつけ、さやかも自身が通う聖身女学館に柔道部を設立する。

強気の発言にふさわしく、オリンピック以降さらに強くなり、開始早々5人抜きを達成した。

 

「日本へ帰ってすぐにトレーニングにはいります!!」

柔との本気の真剣勝負に負けて一時期柔道への関心を失くしたように見えたさやかだったが、ジョディと柔の決勝戦を観て、再び打倒柔の決意を固めたのだろう。

 

風祭慎之介の名言

「さやかさん、あなた彼女には勝てませんよ!器が違い過ぎる!」

柔に投げ飛ばされ、彼女の強さを体感した風祭は柔に勝ちたいというさやかに現実を伝えた。

 

「柔道をやっている時のきみが一番輝いているんだ。」

風祭が柔に大会に出るように説得した時のセリフ。

この言葉をきっかけに柔は武道館で行われる女子柔道選手権大会へ出場することを決めた。

 

祐天寺監督

「天才?そんな言葉でかたづけてはいけません。これは努力に努力を積み重ねた結晶です。」

柔の試合の解説で意見を求められた時の祐天寺監督のコメント。

 

ジョディ・ロックウェルの名言

「彼女は、自分の柔道を完成した人間、今さら自分の勝利なんて興味ないのさ。」

一生懸命他人を応援している柔を見ていると鳥肌が立つといったテレシコワ。

ひと時の間でも柔と寝食を共にし、稽古を積んできたジョディは柔の事をこう語った。

 

日陰今日子の名言

「だから…あたし…試合出てみようかな…なんて…」

初めての三葉女子短大柔道部の練習試合、大将は柔の予定だったが、メンバーが一生懸命戦っている姿を見て、今日子も試合に出たいと思うようになる。

結果負けてしまうが、この敗北をバネにメンバーは強くなろうとこれまで以上に稽古に励む。

 

四品川小百合の名言

「11号の服……着れるようになったかなあ!?」

ダイエット目的で女子柔道部に入部。厳しい練習にすぐに根を上げ、試合でも負け続けていた。

しかし柔の就職がかかった卒業試合でフランスの強豪チームと対戦し奇跡的に勝ち星を挙げることができた。

しかし彼女は自身の勝利よりもどれだけ痩せたかに関心を寄せていた。

 

加賀邦子の名言

「二人とも好きならちゃんとしなさいよ!!」

邦子は松田が好きで今まで二人の邪魔をしてきた。柔にも松田との結婚が間近など嘘を言ったり、誤解させる行動をとっていた。

しかし松田にフラれて、柔に本当の事を話した。これ以降は2人の良き理解者となる。

まとめ

この作品は全く無名だった柔道の天才・猪熊柔が国民的スターになりオリンピックで2連覇を達成する話ではあるが、柔だけが大活躍するわけではない。柔の親友・富士子もバレリーナの夢を絶たれたが、柔に出会い、柔道と夫と出会い、一児の母としてオリンピックの出場を果たしている。また柔のライバル本阿弥さやかも彼女に出会うまで挫折したことはなかった。しかし柔道を始めることにより、柔以外の人間に負けるという敗北を味わいながらもその度に強くなって登場している。この作品の連載中にソビエトが崩壊し、テレシコワは柔道だけに専念できない事態になった。そんな中、柔と戦うために日本での就職をあきらめ、出場できるかわからないオリンピックの夢に賭けた。どの脇役の視点に立ってもそれだけで作品が一本描けそうなほどのドラマが詰まっている。これだけの要素を詰め込みながらも、物語はすっきりとまとまっていて完結で読みやすい素晴らしい名作である。

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