「青の祓魔師(あおのエクソシスト)」は、悪魔の血を引く少年を主人公とするダーク・ファンタジー漫画作品です。
ジャンプスクエア(集英社)で、2009年5月号から連載中で、2020年6月に25巻が発行され、累計発行部数は1700万部を突破しています。
2011年にテレビアニメ化、2012年に映画化し、2017年にはテレビアニメの第2期が放送されています。
個性豊かなキャラクターたちの背景や美麗な画風も魅力です。
幅広いファンからアニメの続編を待望されている人気作品「青の祓魔師」の名言・名セリフをお伝えしていきます。
目次
- 1 あらすじ
- 2 青の祓魔師の名言・名セリフ
- 2.1 「くやしかったら、少しは俺に成長のほどを見せてみろ!」(藤本獅郎)
- 2.2 「こいつは俺の息子だ!返してもらおうか…!」(藤本獅郎)
- 2.3 「大人しく騎士団本部に出頭するか…いっそ死んでくれ」(奥村雪男)
- 2.4 「もがけ!そうなろうともがいてりゃその内ふと振り返ったらいつの間にかそうなってるもんだよ」(藤本獅郎)
- 2.5 「俺もやさしいことのために炎(ちから)を使いたい」(奥村燐)
- 2.6 「それともお前の婆ちゃんはそう言うお前に、行くなって言うのか!」(奥村燐)
- 2.7 「それと真剣な人をバカにしたりするのも、私は好きじゃない。(朴朔子)」
- 2.8 「俺が最強の祓魔師になれば、親父が俺を生かしたのは正しいってことだろ(奥村燐)」
- 2.9 「僕は神父(ちち)の墓前に兄を守ると約束したんだ!(奥村雪男)」
- 2.10 「祓魔師は万能じゃない。助けられないこともある。約束するな!」
- 2.11 「でもいい奴だからさ。俺仲直りしてーんだ(奥村燐)」
- 2.12 「親父を簡単に切り捨てんじゃねえ!」(奥村燐)
- 2.13 「ありがとう、神木さん。私も雑草さんたちみたいに頑張るね!(杜山しえみ)」
- 2.14 「味方やと思とったんは俺だけか!!(勝呂竜士)」
- 2.15 「私は皆を守る。私の代で断ち決して次へは継がせへん!この決意を妨げる者は明陀宗十七代目座頭勝呂達磨が許さん!(勝呂達磨)」
- 2.16 「貴様は俺の大事なモン目茶苦茶にしよったんや…! 灰も残さんから覚悟しとけ!!」(志摩柔造)
- 2.17 「神木さんが私を嫌いでも、私は神木さんが大好きだよ(杜山しえみ)」
- 2.18 「僕は子供の頃から見てきた志摩さんを信じる。僕自身の目を信じる」(三輪子猫丸)
- 2.19 「怒ってくれる人間がいるってありがてえよ。志摩にだって多分そーゆー奴が必要だ。だからお前はそうでなくっちゃ」(奥村燐)
- 2.20 「玉ちゃんの宝物」(神木玉雲)
あらすじ
主人公の奥村燐(おくむらりん)と双子の弟の雪男(ゆきお)は、神父の藤本獅郎(ふじもとしろう)に育てられました。
中学を卒業して間もなく、燐は自分が悪魔の王である「魔神(サタン)」が人間に産ませた子であり、サタンの力を受け継いでいることを知らされます。
獅郎に憑依したサタンは燐を「虚無界(ゲヘナ/悪魔側の世界)」へ連れ去ろうとしますが、燐が受け継いでいる悪魔の力を封印した降魔剣(こうまけん)の「倶利伽羅(くりから)」を抜くことで、燐の悪魔の力が解放され、ゲヘナの門を閉じることに成功します。
しかし、サタンに体を乗っ取られ、サタンを撤退させるために自分の心臓を刺した獅郎は、そのまま命を落としてしまいます。
獅郎の葬儀で、「正十字騎士團(せいじゅうじきしだん)」の日本支部長メフィスト・フェレスが現れます。
燐は獅郎の仇であるサタンを倒すべく、祓魔師になることを宣言し、名門私立「正十字学園」に入学します。
正十字学園はメフィスト・フェレスが理事長をしており、その裏で秘密裏に祓魔師養成機関「祓魔塾」を設けています。
弟の雪男は、幼い頃から悪魔の存在を知っており、獅郎の勧めで祓魔師として活動していました。
15歳でありながら既に講師もしている雪男の指導のもと、燐は仲間たちと共に様々な事件に巻き込まれながらサタンを倒すために祓魔師を目指します。
青の祓魔師の名言・名セリフ
「くやしかったら、少しは俺に成長のほどを見せてみろ!」(藤本獅郎)
中学を卒業しても就職がままならず、喧嘩ばかりする燐。少しは「まとも」になろうと、獅郎に紹介された料亭に面接に行こうとしますが、燐はネクタイの結び方もわかりません。
獅郎の子ども扱いに燐は反発しますが“図体ばかりでかくなりやがって”と言いながら燐のネクタイを結び、このセリフで焚きつける獅郎に、養父としての愛情を深く感じます。
「こいつは俺の息子だ!返してもらおうか…!」(藤本獅郎)
力を取り戻しつつある燐を狙う悪魔たちから燐を守るため、獅郎は燐を知人に預け保護しようとしますが、状況を飲み込めず混乱する燐は自分が厄介払いされたと受け取ってしまいます。
獅郎につい“父親面をするな”と怒る燐ですが、実際に血のつながりがない獅郎は反論もせずに、ただ再度燐に避難するように言うことしか出来ません。
表には出さなくとも燐の言葉で傷ついた獅郎の心の隙をついて、サタンは獅郎に憑依します。
燐の危機に一瞬だけ獅郎が自我を取り戻し、このセリフを言いながら自分の心臓を突き刺し、サタンは撤退します。
父親面するなと言われても燐は自分の息子であると言い、燐を守るために死を選ぶ獅郎の死に様が父親らしく、獅郎の人柄をよく表しています。
またこのあと、つい言いすぎた後悔と獅郎を亡くした悲しみで“父さん……”と泣く燐の姿は、父親面するなという言葉が本心ではく、お互いに親子だと思っていることを物語っている二人の絆がよくわかる切ないシーンです。
「大人しく騎士団本部に出頭するか…いっそ死んでくれ」(奥村雪男)
講師として登場した雪男が燐に言った辛辣な一言。
今まで傷の手当をしてくれる優しい弟として登場していただけに態度の急変には驚きました。
雪男は燐が獅郎に何か精神的に負担をかける言葉を投げたせいで憑依されたことを察していました。
雪男は、獅郎と大事に守ってきた燐が罪滅ぼしや復讐のために祓魔師を目指すなら、それまで燐を必死に守ってきた自分たちの思いが踏みにじられると感じたのかもしれません。
燐は復讐などではなく“自分のせいで誰かを死なせたくないから、強くなりたい”という意思を雪男に伝え、雪男は自分も幼い頃、燐を守るために祓魔師を目指す決意をしたことを思い出します。
このセリフの全てが本心ではなかったとしても、雪男は自分が言った言葉はついて回るだろうと覚悟するよう燐に忠告します。
「もがけ!そうなろうともがいてりゃその内ふと振り返ったらいつの間にかそうなってるもんだよ」(藤本獅郎)
幼い頃から短気で喧嘩ばかりする燐。
心根は優しい燐はいつも誰かや何かのために怒ることが多いのですが、燐の怪力を見た周りの人たちからは「悪魔の子」だと怖がられてしまいます。
喧嘩したことを「俺は悪くない!」と反発する燐が内心傷ついていることを見越した獅郎は、燐を抱きしめたあとカッコいい人間になってほしいと伝えます。
どうやったらカッコいい人間になれるのかと訊く燐に獅郎がこのセリフを残します。
サタンの子だと知りながらもあくまで人間として育て、燐に幸せに生きていってほしいと願う親心がこのセリフから読み取れます。
このセリフは、自分に父親役ができるかとこぼした獅郎に、燐と雪男の母親であるユリ・エギンがかけた言葉とよく似ています。
「俺もやさしいことのために炎(ちから)を使いたい」(奥村燐)
悪魔のアマイモンから仲間を守るために剣を抜くときのセリフです。
幼い燐が喧嘩して相手を怪我させてしまったときに、獅郎が「もっとやさしいことのために力を使え」と言っていたことが背景にあり、獅郎の優しい人に育ってほしいという思いはしっかり燐に伝わっていることがわかります。
降魔剣を抜けば青い炎が出て、燐がサタンの息子だと仲間たちに知られてしまうのですが、それを覚悟のうえで、仲間を守るために戦う覚悟をする印象的なシーンのセリフです。
「それともお前の婆ちゃんはそう言うお前に、行くなって言うのか!」(奥村燐)
大好きな祖母は自分のせいで亡くなってしまったと事故のことを悔やみ、祖母の大事にしていた庭にかじりつくように手入れをするしえみ。
燐に、いつか祖母が話してくれた「天原の庭」を探してみたいと話していたにも関わらず、庭に囚われ続ける彼女に、このセリフを言います。
しえみが自責の念で苦しんでいることを感じて、解放するためにわざと庭を壊そうとするところに燐なりの真っすぐな優しさを感じます。
「それと真剣な人をバカにしたりするのも、私は好きじゃない。(朴朔子)」
塾の仲間たちと友達になりたいと奮闘するしえみですが、塾の仲間である神木出雲(かみきいずも)にはパシリのように都合よく扱われてしまいます。
その様子を見た神木出雲の唯一の友人である朴朔子(ぱくのりこ)は出雲を嗜めます。
優しいけれど芯のある彼女らしい発言でした。
しえみをバカにするのは嫌だとはっきり示しますが、出雲を嫌いになったわけではなく、その後も友人として「いつもの出雲ちゃんが大好きだよ」という気持ちを持ち続けているところにも彼女の人となりを感じます。
「俺が最強の祓魔師になれば、親父が俺を生かしたのは正しいってことだろ(奥村燐)」
悪魔の子だと分かっていて燐を育てた獅郎への批難に対して強い姿勢でこう答えます。
雪男が言っていたように、祓魔師の燐への印象は最悪です。それでも、獅郎は正しいとこをしたのだと証明するためにもっと強くなろうと決意します。
「僕は神父(ちち)の墓前に兄を守ると約束したんだ!(奥村雪男)」
幼い頃から悪魔の存在を知り、悪魔に怯えず、兄を守るために祓魔師になることを決意していた雪男。その道を示して育ててくれた獅郎の墓前で誓うことも、やはり兄を守るということでした。
燐が塾に来たときは銃口を向けて“いっそ死んでくれ”という言葉も突き付けていましたが、本心では唯一の肉親である燐をとても大切にしていることがわかります。
「祓魔師は万能じゃない。助けられないこともある。約束するな!」
「やる前から勝手に決め付けてんじゃねー!このビビリが!」(奥村雪男/奥村燐)
雪男の現実的な制止と、それに反発する燐。
どちらも優しさから出てくる言葉ですが、医工騎士(ドクター/医療を担う祓魔師の称号)も兼任する雪男の発言だと踏まえると言葉に重みを感じます。
「でもいい奴だからさ。俺仲直りしてーんだ(奥村燐)」
サタンの子であることを明かした燐は塾の仲間に避けられてしまいます。
仲間たちも燐自身は悪くないと薄々わかっていてますが、自分たちの最大の敵であるサタンの血族という事実に戸惑いや怒りを感じ、気持ちの整理がつかない様子です。
一方燐は、仲間みんながいい人たちだから仲良くしてほしいと、一人一人と真っすぐ向き合おうとします。そんな燐の裏表のない人柄に触れて、仲間たちも徐々に燐を信頼していきます。
さっぱりした燐の性格が表れていて、見ていて清々しい場面です。
「親父を簡単に切り捨てんじゃねえ!」(奥村燐)
仲間のひとりである勝呂(すぐろりゅうじ)が父である達磨(たつま)と喧嘩したときに燐が竜士に言ったセリフです。
達磨の隠し事に激怒した竜士は「親父面すな!」と言い放ちます。
獅郎に「二度と父親ぶんな!」と言ったことで、獅郎は精神的にダメージを負いサタンに憑依されてしまった過去を持つ燐の後悔から、燐は竜士引き留めこのセリフを言います。
竜士に「お前に言われたないわ オヤジ(サタン)倒す言うてるやつに」と言われたことでで、燐の中にある“自分の父親は獅郎であるという誇りを持ちながらも、血のつながった父親は仇であるサタン”という燐の葛藤が浮き彫りになります。
「ありがとう、神木さん。私も雑草さんたちみたいに頑張るね!(杜山しえみ)」
どんなことを言われてもめげないしえみに出雲が「雑草みたい」だと言いますが、世間知らずで言葉通りに受け取る癖があり、草花が大好きなしえみにとっては「雑草みたい」は褒め言葉に受け取られてしまいました。
嫌味ではなく本気で喜んでいるしえみの様子に出雲もたじたじです。
「味方やと思とったんは俺だけか!!(勝呂竜士)」
燐がサタンの子だから避けていたのではなく、実は「燐が自分たちにサタンの子であることを打ち明けず、抱え込んでいたこと」に腹を立てていた竜士。
仲間思いで情に厚い彼の性格がよく表れている熱いシーンです。
「私は皆を守る。私の代で断ち決して次へは継がせへん!この決意を妨げる者は明陀宗十七代目座頭勝呂達磨が許さん!(勝呂達磨)」
浮上王の復活に駆け付け、応戦する達磨。
いつも穏やかで柔和な表情をしていた達磨が本気で立ち向かいます。
家族や仲間を背負ってきた座頭としての力強さに引き込まれるシーンです。
「貴様は俺の大事なモン目茶苦茶にしよったんや…! 灰も残さんから覚悟しとけ!!」(志摩柔造)
塾の仲間である志摩廉造(しまれんぞう)の兄でもある祓魔師の志摩柔造(しまじゅうぞう)が、浮上王の復活に暗躍した藤堂三郎太(とうどうさぶろうた)へ向けて言ったセリフ。
“大事なもん”とは京都出張所の祓魔師たちのこともそうですが、幼馴染でもある宝生蝮(ほうぞうまむし)を藤堂が利用したことも指しています。
事態が収束した後には、仲間を裏切った自責に苦しむ蝮を慰め、周囲に堂々と「蝮もらいますわ!」と結婚の宣言をします。
蝮が「自分は罰を受けるべき人間だ」と言いますが、柔造が「自分との結婚を罰だと思えばいい」と返します。強引さはありますが、蝮とは幼馴染なので以前から好意を抱いていたのでしょう。蝮の満更でもない様子も微笑ましいです。
ちなみに、小説版(ホーム・スイート・ホーム/矢島綾)では蝮と柔造の学生時代が描かれています。こちらも微笑ましい内容ですので、気になる方はぜひ読んでみて下さい。
「神木さんが私を嫌いでも、私は神木さんが大好きだよ(杜山しえみ)」
自分を嫌う相手に、相手の気持ちや態度に流されず自分は好きだと言える人は少なそうですよね。周りに嫌われても諦めずに仲良くしようとする燐と似ている部分かもしれません。
相手が自分を嫌いうことを責めず受け入れて、自分の気持ちも歪ませない。
しえみの芯の強さがよくわかるセリフです。
「僕は子供の頃から見てきた志摩さんを信じる。僕自身の目を信じる」(三輪子猫丸)
悪魔の“光の王”で、虚無界の実質的な最高権力者ルシフェルが創立させた組織「イルミナティ」
実はそのスパイである廉造の裏切りに塾の生徒たちは戸惑います。特に幼馴染みの京都メンバーはかなりショックを受けてしまいます。
三輪子猫丸(みわこねこまる)は廉造の真意が読めず落ち込みますが、最終的には一緒に育った時間で見てきた廉造を信じると決意します。
「怒ってくれる人間がいるってありがてえよ。志摩にだって多分そーゆー奴が必要だ。だからお前はそうでなくっちゃ」(奥村燐)
兄弟のように育ち、ほぼ家族同然と思っていた廉造の裏切りに衝撃を隠せない竜士。
家族・仲間思いの彼にとって、これほど堪えることはないでしょう。
燐のこの言葉で、廉造を怒るという自分の役割を見つけて立ち直っていきます。
「玉ちゃんの宝物」(神木玉雲)
子供っぽく、狐神に家事を任せ、娘である出雲にも泣きつくなどの幼稚さが目立つ出雲の母親である神木玉雲(かみきたまも)。
玉雲は不倫相手との関係が悪化した際に九尾に憑かれ、長年イルミナティの実験に利用されていましたが、体が保てなくなったため、イルミナティは九尾を出雲に移しました。
その直後、玉雲がもう一度九尾を自分に憑かせることで出雲を救い、息を引き取りました。
その際になぜいつもは頼るくせに今さら自分を助けるのかと問い詰めたときの玉雲の返答が上記のセリフです。
出雲に母親らしいこともせず、迷惑ばかりかけた母親でしたが、娘たちへの愛情は本心だったとわかる切ないシーンです。