妖怪「青女房(あおにょうぼう)」とは、女官(宮廷に仕える女性)の格好で鏡に向かい、白粉とお歯黒で化粧をしながら訪れる人をうかがっている妖怪である。
化粧はしているものの、眉がぼうぼうに伸び、醜い顔であるとされている。
「青女房」の本来の意味
青女房とは本来、若く位の低い女官の事を指す。この言葉は平安時代から存在する言葉であるが、妖怪として語られ始めたのは江戸時代になってからと言われている。
しかし江戸時代では青女房という言葉はほぼ使われなくなっていたため、本来の意味ではなく妖怪としての意味合いが強い言葉として浸透していった。
江戸に産まれた平安の妖怪「青女房」
上記の通り「青女房」は本来の意味の青女房が元となっている妖怪である。
しかし、お歯黒とぼうぼうに伸びた眉が当時の文化的に矛盾している事や、平安時代には妖怪「青女房」に関する文献の存在が確認されていない事がたびたび指摘されている。
発祥の物語が語られる事も稀であり、語り継がれてきた怪談と言うよりは、江戸時代に娯楽として流行していた怪談の流れをくむ妖怪であると考えられる。