「あま人」とは、東北地方に伝わる妖怪で、特に青森県の西津軽地方に伝えられています。
害は無いとされており、秋田県では「面影」、岩手県では「オマク」と呼ばれる事もあります。
「あま人」の伝承
人が死ぬ間際に抜け出し、歩き回る魂があま人であると言われています。
魂である事に気付いていないのか、家の戸を開けるような音を立てたり、重い物を持ってくれる等人の手伝いをしてくれると伝えられています。
「あま人」の物語
柳田國男という方が書いた「遠野物語」という本には、あま人が菩提寺という寺に現れた物語があります。
寺の和尚はこの客人にお茶を出して世間話をしたのですが客人の様子に違和感を感じたため、客人が席を立った際に小僧に後をつけさせたそうです。ですが、角を曲がった瞬間には客人の姿は消えていました。
その日は数人の知人がその人物に会っていました。しかし、その人物は重い病にかかっており、とても外出できる状態ではなく、その日のうちに亡くなってしまったのでした。その話を聞いてから客人を通した部屋を確認すると、出したお茶が全て床にこぼれていたと伝えられています。
「あま人」の正体
あま人の正体は死ぬ間際に肉体から抜け出た魂であると言われています。
しかし、魂の状態で歩き回ったり手伝いをしたりしているので、もしかしたら最期に何か人のためになる事ややってみたい事をしたいだけなのかも知れません。