「あめます」とは、東北地方や北海道に伝わる巨大なアメマスの妖怪です。
魚釣りでは太刀打ちできない巨体を誇り、中には地震の元凶であるという伝承もあります。
「あめます」の伝承
北海道の摩周湖には鯨のように巨大なアメマスが棲みついていると言われており、この湖の主は船を転覆させる事もあると伝えられています。
また、支笏湖にも巨大なアメマスの伝承が残っており、湖の端から端まで届く程であるとされています。
「あめます」の物語
アイヌ民族の民話によると、地下には巨大なアメマスが棲んでおり、このアメマスが暴れると地震が起きるとされています。
そのため地震が起きると囲炉裏の灰に小刀や火箸を突き刺して「エッケウ、エッケウ」と唱えたそうです。この「エッケウ」はアイヌ語で「腰骨」を意味しており、暴れるアメマスの腰骨を押さえて地震を鎮めるためのおまじないであると伝えられています。
また、秋田県の仙北市にはアメマスと鷲の戦いの伝承が残っています。伝承によると、ある日山に棲んでいた鷲が湖を泳ぐアメマスに狙いをつけました。
鷲は見事にアメマスを捕らえたもののアメマスも負けじと大暴れし、両者は一歩も引く事なく格闘は続きました。しかし、両者共力尽きて落ちてしまいました。この場所は後に「アメマス落とし」と呼ばれるようになったと言われています。
「あめます」の正体
巨大な魚の妖怪とされている「あめます」ですが、私は突然変異で巨大化した個体か、UMAとして知られる「タキタロウ」のような存在ではないかと思います。湖と同サイズは無理があるにせよ餌や環境によってはかなり大きく育つと思われます。そんな化け物サイズが湖から現れたら、誰もが妖怪と思わざるをえないのではないでしょうか。
私の地元ではとある滝壺で子供だけの釣りをしてはいけないと言われていました。その時、滝壺に「お化けイワナが棲みついている」と言われたのを覚えています。本当かウソかは分かりませんが、もしかしたら地元にも「あめます」がいたのかも知れません。