「粟搗き音」とは、北海道、アイヌ民話に伝わる音の妖怪です。
炉端で寝ているとどこからか粟を搗く音が聞こえてくると言われています。この音は地面から聞こえてくる説や屋外の説もあります。
「粟搗き音」の伝承
粟搗き音は「静か餅」という妖怪の1種であると考えられています。
姿は見えませんが、炉端で寝ていると粟を搗く音が聞こえ、この音が聞こえた年は豊作になると伝えられています。
「粟搗き音」の物語
詳しい物語は伝わっていませんが、屋外から音が聞こえてくる事もあるようです。
臼に綿を入れて搗いているような音であればその年は豊作になり、空の臼を搗いているような音であれば、その年は冷害に見舞われてしまい凶作になると言われています。
「粟搗き音」の正体
音の妖怪と言われる粟搗き音ですが、私はスズメやヒワ等の穀物を好む野鳥が餌を食べている音が正体ではないかと考えています。意外と野鳥は静かに餌を食べる事もありますし、野生動物は人間には分からない環境の変化や餌の在処が分かったりします。
粟搗き音は、そんな野生動物達が教えてくれる環境の変化の一部を妖怪として語ったものだと思います。